完全に猫なのさ

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「グランメゾン東京」第6話感想/食べる人のことを考えるってやっぱり大事だよね

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ちょっとまって。

↑上に貼ったのは第6話のあらすじですけど、ちょっと、それより、第7話の予告がえらいことになっていた。失踪していたエリーゼ太田緑ロランスアメリー(マノン)を奪還しにやってくる、だと…!?後半のいいところでまたもや瓶人回がやってくる…!なんてこった!(天を仰ぐ)

(もういいよこれもcv手塚とおるで)

 

以下ネタバレ!

 

シェフ&スーシェフの絆がアツい

ほんとうに、キャラクターどうしの関係性が丁寧に描かれたドラマだなぁと思います。ひとつは、シェフ&スーシェフのパートナーシップ。gakuに祥平が加わったことで、白(グランメゾン東京)vs黒(gaku)のシェフ&スーシェフが2組、対峙する構図ができあがった!いいぞいいぞ燃えてきた〜〜!!!!

鰆の火入れを研究しまくるシーンでは倫子と尾花のチームワークの完成が伝わってきたし、その前の朝ごはんのシーンでの会話もじつにテンポがよく、「じゃあ俺の火入れと倫子の火入れ、どっちがいいか、比べてもいんじゃない」なんて、ちょっとキュンとしますよね(先週に引き続き名前呼び捨てに萌える)。

一方、gakuでは…いやさ、なんかもう、丹後さんデレすぎじゃない…?破顔して祥平の方に腕を回すようなシーン、先週も出てきましたよね。丹後さんにとっての祥平は、単に戦力として頼もしいだけでなく、自分ではどうすることもできない尾花へのコンプレックスを紛らわせる精神安定剤的な効能がありそうだ。なんかこう…自分にそっちのチャンネルは一応ないのだけど、、ほんのりBL的な発想を禁じ得ないよね。

グランメゾン東京でもgakuでも、シェフ&スーシェフは魚料理の改良をやり遂げた瞬間、ハイタッチしている!料理シーンのロックナンバーもgakuでは違うアレンジで、チョッパー奏法のベース?にチェロかな?重めの弦がゴリゴリ効いていてかっこいい!

 

物語を動かす「男の嫉妬」

今週は、フラストレーションを募らせた芹田(寛一郎)にスポットがあたる回でしたが、最初に気持ちがささくれるきっかけになったのが、gakuに行ってしまった祥平への嫉妬。市場でそのいきさつを聞かされて「とんでもねぇ裏切りもんだよ」なんて口にするんだけれども、まぁ最後まで見ると壮絶なブーメランでございましたね…。

自分だってがんばっているのに認めてもらえないし、みんなは仲間になってくれなかったアイツの話題ばかり…。

「見てくださいよ完璧な5mm角。祥平さん超えてるでしょ」

「みんな祥平祥平って、いいかげんうるさいんだよ」

祥平だけでなく、即戦力としてもてはやされる栞奈(中村アン)に対しても複雑な表情を隠せません。

栞奈のホールスタッフ採用に関してはちょっと無理がないかしらね〜!!ソムリエの資格があるというけれど、ライター業とサービス業が簡単にいったりきたりできるように描かれるのはなぁ…。でも結局スパイorテロリストらしいので仕方ないか!ほんとに曲者が潜入しまくってやばいなこの店。

 

そしてgakuの料理人におさまり、悪役(の雑魚キャラ)として超イイ働きをしている柿谷(大貫勇輔)。後半で、江藤の指示でグランメゾン東京の鰆のレシピを丸パクリした料理を作ることになりますが、その前は自分でちゃんと考えた料理を丹後に提案して、そして一刀両断されているんだよね。魚料理の改良で丹後と祥平がキャッキャしてるのをジト目で見る柿谷(もともとクールなお顔立ちなのがいいよね)。いいぞいいぞ。スパイとしての役割だけでなく「祥平ばっかり引き立てられておもしろくない」っていうのがあると思うんだよね。

 

なんかそれぞれのレストランで、「男の嫉妬」がちょっとした物語の推進力になっているのがグッときています!

 

でもあれですよ、京野さんのは違うから、やきもちだから。並んで朝食を食べようとする尾花と倫子の距離の近さを気にしまくる京野さん、コメディパートとして息抜きにぴったりです(おじさんの片思いが息抜きって一体)

 

このドラマ、主演である木村さんのいないところでも、ちゃんと人間関係が描かれてるのも好感がもてるんだよね!激マズのまかないチャーハンを作ってしまった芹田を京野が優しくフォローしたり、そのあと飲みに連れていったり!*1

 

「独りよがり」に気づいた芹田

がんばったつもりのチャーハンを酷評され、やさしい瓶人さんにさえチクリと言われてしまった芹田。もともと向上心はあって、「鰆がさばけるようになりたいんです」って市場の鮮魚店で下働きをさせてもらったり、厨房でも鮮魚店でも「勉強ノート」に一生懸命書き込んだり…。でも気持ちが先走って、独りよがりだったんだよね。

あろうことか相沢がやりかけていた鰆の三枚おろしに手を出して、勝手にやってしまう!めっ!!

「これ、どうすか!完璧っすよ!相沢さんみたくうまくいってますよね!?」

これに雷を落とされて(もちろん瓶人さんも激おこ)、衝動的に辞めてしまった芹田。でも京野のはからいで客としてグランメゾン東京の席に座り、お客さんの存在が頭から抜け落ちていたということに気付かされる。

京野「いい料理というのは、そこにお客様がいることでいい料理として完成するんです」

試作品のときよりもちょっと臭みのあった鰆のロースト。それは自分が「ごぼうを刻んたナイフ」でアクを移して台無しにしてしまった切り身を使った、「お客様には出してはいけない料理」だったのです。

 

盗まれたレシピの端末

これも、すごくおもしろかった〜!リンダ(冨永愛)が来店して気合がみなぎるgakuの厨房で「新メニューの魚いくぞ!」「ウィーシェフ!」なんてやったあとに、一瞬、フライパンで焼かれる鰆がアップになってうわぁやっぱりパクられたのか!?と思ったらギュッと引きになってフライパンを持つ尾花が映る。料理を待つリンダの後に鰆の一皿がアップになり、うわぁやっぱりパクら(略)と思ったらそれは京野が持っていることがわかる。「ここでしか食べられない最高の魚料理だったわ」なんて賛辞を残したリンダが何を食べたのか、最後までわからなくて焦らされまくる!

 

一方、レシピを盗み出したことを「俺のせいでみんなの努力が台無しになります」と詫びる芹田に「俺たちが本気で考えた料理真似できるわけねぇだろ」「真似できるもんなら、やってみろっていうのよ」と一蹴する尾花と倫子。結局、柿谷には尾花たちと渡り合える腕がないのでレシピをパクったのにただの焼き魚を作っちまったんですね〜〜フハハハいい気味!

同時に、グランメゾン東京が目指している「高み」が改めて語られました。「三つ星狙うなら、自分で本物生み出すしかないんだよ」。gakuでも同様のことが語られますが、結局、三つ星を狙う店というのは、よそに真似できない唯一無二の味を提供できるアイデンティティが鍵なんですね。丹後シェフはそう思っているものの江藤と柿谷はレシピをパクれば出し抜けると思ってるあたり、尾花の言葉を借りれば「お前ほんと料理なめてんな」ですよね。

あとこのドラマ、おいしいものを口にした人々の表情の演技がとても秀逸で好きなのですが、チャーハンにせよ柿谷の失敗作にせよ、まずいものを食べた人がみんな「許さねえ」って顔するのもすごく好きです。

 

超余談ですがこんなことも思い出しました。

初めてちゃんと見たドラマだった気がするので、なぜか細部をすごく覚えております。よく考えたら高校受験の時期だったのに。パクられたスタイルの名前は「エアリーシャギー」。時代を感じますね。

 

「詫びチャーハン」の脚本がうますぎる

芹田が店の仲間に詫びチャーハンを作るシーン、うならされました!

鰆の中骨の身を焼いてチャーハンに足すのは、鮮魚店で教えてもらったことを生かしているし、これまで描かれてきた「食材を無駄にしない」というお店のポリシーとも響き合っていて、なにより倫子が「でも、芹田くんがみんなを喜ばせるためにいろいろ考えて、自分のもってる技術と知恵を振り絞って作ってくれたことはしっかり伝わった」と評したように、食べる人=お客様のことを初めてちゃんと考えられたんだよね!今までは「祥平さん超えてるでしょ」「相沢さんみたくうまくいってますよね!?」って、同僚と比べて自分がどうか、ばっかりだったんだもんね…。うまみがプラスされたうえに高タンパクになったし、最初のチャーハンでは大皿にドカンと盛るだけだったけど2回目は焼いてほぐした鰆の身がみんなに行き渡るようにちゃんと取り分けてからサーブしてさ…!成長したねぇぇぇぇ(泣)。

この「取り分け」ひとつとっても、第5話のフードフェスで尾花がカレーの食材を子供に合わせて小さくした気遣いが思い出されるし、きれいに齟齬なくつながっていて本当にすごいと思う。

チャーハンを完食した仲間が、芹田の胸に笑顔でグータッチをしていくシーン、とてもよかったですね。目に涙をためてうなずき、誰に言うでもなく「あざっす」とつぶやく芹田。これまでの「おなしゃす!」みたいな言葉遣いがここで効いてるよね。

最後に映ったTOPレストラン50発表の会場では、芹田はTシャツの制服からみんなと襟の合わせが同じコックコートになっていた!すごいねよかったね!でもパイピング(縁取り)の色が倫子の金でも他のみんなの銀でもない感じ。白なのかな。ほんとこのドラマ、始まる前はコックコートだけでこんなに情報量があるとは思わなかったな。*2

 

可愛さが高止まり安定の瓶人さん

脇に徹していた今週の瓶人さん、横でひたすらチャーミングにセリフを言ってくれる天使だったのでセリフを抜粋して愛でたいと思います。


「子供だよぉ〜」
「困ったことがあったら、僕にご相談まで☆」
「いい出会いになりますように♡」
「すいません♪」
「覚えとけ♡」

 

…なんかだんだん、瓶人さんの及川光博が増してきてはいないか…。もちろん☆だの♡だのは今回も勝手に補っているけれど「覚えとけ♡」はハートマーク一択ですから!

 

尾花と倫子が作った鰆のローストに水晶文旦のソースをあわせたのは瓶人さん!ナイスチームワーク!水晶文旦って初めて知りました。きれいな柑橘ですね。…心の宝石、輝かせましょう!(何か混ざったぞ)

今回はグータッチが2回でうれしかったのですが、とくに芹田へのグータッチは優しい表情すぎてリピート不可避でした…!!グータッチ直前にふにゃって微笑みかけるのがもうダメ。

 

…あ〜〜〜ここで思い出しちゃったよ来週の爆弾を。どうしよう瓶人さん!アメリーちゃん!!!どうなっちゃうの!…ちょっと冷凍チャーハンでも食べて心を鎮めたいと思います。

 

 

*1:もしエキストラ参加が叶っていたならこの居酒屋のカウンターの後ろで飲む役をやりたかった

*2:メインビジュアルで着ているコックコートはそれぞれ尾花と瓶人エスコフィユ、倫子が前の自分の店、祥平がホテルのビュッフェ。始まる前は全部「ただ白いコックコート」としか思わなかった。時間軸が微妙に違うのも面白いよね