完全に猫なのさ

4年目ベイベーが及川光博さんについて書くブログ

グランメゾン東京第9話感想/マリアージュと名探偵、そして幻のワークライフバランスについて思うこと

www.tbs.co.jp

マリアージュ火曜サスペンス劇場

今週は日本ワイン✕料理のマリアージュがお店のテーマでした。

あれ?ものすごく『マリアージュ神の雫 最終章〜』の最新刊(20巻)みたいですね??

(主人公は、ワインコンサルとして軽井沢のオーベルジュをサポートすることになり、日本ワイン縛りのマリアージュでライバル店と対決します。このライバル店に、江藤オーナーみたいな卑怯なソムリエが出てきたりします)

マリアージュ~神の雫 最終章~(20) (モーニングコミックス)
 

のっけから話ずれたけど、置いといて。

尾花はこの日本ワイン探しをメニュー再開発のための最重要事項と位置付け、栞奈(中村アン)に日本ワインのセレクトを依頼します。

栞奈は、「3年前の事件」のせいで身内がひどい仕打ちにあい、恨みをもっている人物としてほのめかされてきました(これは本編ではないですがグラグラメゾン東京第8話で『父』ということが明かされています*1)。

いよいよその背景が分かる回だったわけですが、前半、ワイナリーへ尾花と倫子を案内し、日本ワインへの思い入れを嬉々として語る様子からは、もしかしたらそのワインが関係あったのかな〜〜〜?という印象がありました。

まぁ、ちがいましたね……。

 

そもそも今週のはじまりは、日本ワインと料理をあわせる試食会のさなか、萌絵が食中毒で倒れてしまったこと。そこで栞奈がバッグを落とし、茶色の小瓶を慌てて拾い上げる様子を瓶人さんが見ていた…ッ!さらに、病院の廊下でリンダにスパイ電話をするところも見ていた…ッ!!その疑いを聞かされ、動揺するグランメゾン東京のメンバー。

こ、これは新しい活躍の方向なのか!!??と期待が膨らんでいました。このままコナンくんみたいに「あれれれ〜〜〜?」って言い始めたりしないかなって。そしてクライマックスではキメてほしい!なんて…。

すべてが明らかになったのは、京野がようやく栞奈の素性…つまり例の日仏首脳会談で責任を問われた外務省秘書官の娘だと気づいたこと。「エスコフィユのメンバーが揃ったこの店に、なんでわざわざ近づいてきたの…?」という倫子の問いかけに、先に答えたのは瓶人さんでした。

「…すべては、復讐するためだったんだね。」

ここは断崖絶壁かな??????

 

やけっぱちで〈自白〉した栞奈。尾花の試作した白子の前菜に辛口の評を述べたあと、堰を切ったように話し出す。

「ほとんどの料理人は、料理が主役でワインが脇役だと思ってる。でも、おいしいワインにはもっと敬意を払うべきなのよ」

実は、栞奈はエスコフィユでワインを引き立たせる尾花の料理に出会い、心底惚れ込んでいたのです。だからこそ、自分の推薦が大惨事につながり、父を失脚させたことが、許せなかった。

結局、萌絵のノロウイルス感染に店は無関係であり、偽の自白をした栞奈も実はシロ。名探偵カメヒトは、疑ったことを素直に謝って終わったのでした。うん、謝るのはいいことだよね…。

 

この「尾花は昔からワインを引き立たせる料理をつくってきた」ということ、そして栞奈のワインへの愛着、これには正直ちょっと初耳感があり、第9話に出てきた設定にしては、唐突さが否めませんでした。もともとフードライターとして登場した栞奈が、「腰掛け」的にホールスタッフとなり、最終的には倫子に正式なソムリエールとして迎えられる。栞奈のワインへのこだわりが唐突に感じ、もしかしてワイナリーの娘なのか?と勘違いしたのも、本来ソムリエールなのだから当然とはいえドラマ内ではこれまで感じることがなかったら。それぞれの仕事にはそれぞれのプロフェッショナリズムが求められるはずで、簡単にスイッチング可能であるかのように扱うのは少しもったいない気もしました。

でも、尾花がスタッフ1人ひとりの能力を頼り、意見を求めるようになった、という変化の描き方には納得感はありました。スタート時点で「あいつは絶対に店に必要」と評していたのは京野だけで、料理に関しては人の意見を聞く耳を持たなかった。その頃からすれば、ソムリエの資格を持つとはいえ、いちホールスタッフの若い女性の意見を真正面から求める(ていうか席の真正面に座るのかよ)というのは、考えられなかったんじゃないかな。そもそも帰国直後はフランス産の高級食材にばかりこだわっていたわけで、当時はきっと日本ワインには見向きもしなかった気がします(これは第2話・第3話で国産の食材と出会うなかで変わってきたことが伺えます)。

 

(メモ)お店のポリシーについて追加で明かされたこと

前に書いたことに追加があったので足します!

  • 食材を無駄にしない(第3話「生きとし生けるもの、いただいた命をあますことなく美味しくいただく、そのために料理人がいるんだって」、第5話「(キャンセルが続いてまかない行きになった食材に)ごめんなぁ…」)
  • スタッフ全員でいらっしゃいませと言う(第4話、プレオープン前)
  • 料理人自らもサービスする(第5話、外国人客の接客に苦戦する芹田をヘルプした瓶人さんすてきー!)
  • 食べる人のことを細やかに気遣う(第5話「(前日のカレーのほうがおいしいけど)一日寝かせてあるからね。でも衛生的にこわいでしょ」、「(フードフェスのお客さんに子供が多かったから)あの人、具材をひとまわり小さくしてるの」、第8話、味覚障害を抱える潮との出会い)
  • ミシュランのために特別な戦略を練らない(第8話)
  • 食の安全を第一にする(かぶるけど第5話の寝かせたカレーを売らないこと、第9話、自ら保健所に検査を依頼する)←New!!

  • お客様に不都合は隠さず、誠実に対応する(第9話「逆に関心されましたよ、こんなにきちんと対応してくれると安心だって」「そうやってお客様との信頼関係が生まれるのってうれしいよね」)←New!!

やっぱり、食の安全についてはコンタミ事件の教訓もあるしね。

 

瓶人さんのウインクを数えておけばよかった

ああこんなことなら正確にカウントしておけばよかった、忘れてしまった(もういいや)。えーととりあえずお店の仲間に加わるところと、、他にもあったかもしれないけれどとりあえず今週もウインクあったよ〜〜〜!(雑)

「卒業する栞奈さんのためにみんながんばった!友情、青春、おじさん、感動☆(バチコーン)」

中の人でしかなかったと思うんですけど、いったい脚本はどうなっていたんだろう???そして、韻を踏んでいるようで踏んでいない!!!

なんかちょっとPURPLE DIAMOND円盤のMC「熱中症に気をつけて熱中SHOW☆にしましょう!」を思い出さざるを得なかったですね(これはねおじさんだなって思ってた)。

 

さよなら、gaku〜支え合ってきた2人の別れ

今週つらかったのが、丹後シェフと祥平の別れでした。ピュアすぎてまっすぐすぎて、リンダにまんまと陥れられた祥平。

祥平は、フランス大使館の男たちに連行される直前、丹後と一緒に取り組んできた舞茸の料理を完成させていました。残されたその一皿を口にして悔しさを噛みしめる丹後。店を去りながら、目を真っ赤にして深々と頭を下げる祥平に「ばかやろう…」と一声かけるのが精一杯です。かなしい。これで丹後さんは頼れる相棒かつ精神安定剤を失ってしまった。 いえ、この直後、引っ越し(おそらく実家へ向かう)のトラックを見送った祥平のもとに尾花がバイクで颯爽と乗り付け(木村さんのドラマだからいいんです)、「一回しか言わねぇぞ。祥平、グランメゾンに来い」と殺し文句を言い放ち、第9話のラストでようやく祥平が仲間入りする布石が打たれたわけです。が、今はそんなことより(そんなことより?)丹後シェフが心配だよぉぉ!!!!!だって残ってるのは柿谷でしょ????無理じゃない????「二つ星のウチがあと1つ上がるために必要なのは?」という江藤のウザ問答に「独創性!」と割って入る柿谷、お前に聞いてないしそもそもおまいう(魚料理丸パクリ事件)。祥平を失った丹後さんがどうなっちゃうのか、心配でなりません。あとgakuの黒コックコートの玉森くんが見られないのもちょっぴり惜しい!!!!!(正直)

 

さよなら、ワークライフバランス〜組織ってなんだろう〜

ひじょうにしょっぱい気持ちですが、これは書いておきます。冒頭、コースメニューの再開発に取り組むことを宣言したミーティングで、倫子はこんなふうに言うのです。

「何より、相沢さんにフルタイムで入ってもらえてるし」

相沢を評価する前向きなセリフではありますが、私はここで、ああ、決定的だなと思いました。もう「事情を抱えるスタッフも働けるお店」として成長する話ではないのだと。

私は、第2話、第3話でシングルファーザーの瓶人さんをお店に迎え入れる流れで、これはまさしく現代のドラマだと感動していたのです。でも第7話で突然エリーゼが登場し、アメリーをさらっていった(語弊はありますがストーリーの長いスパンで見ればさらっていったも同然)。このとき多くの人が瓶人さんには子育てをしながら両立してほしかった」という感想をもらすのを見かけ、私は「エリーゼにワンオペを強いていたことのブーメランとして描かれたのかな」と感じつつも、そこには同意見でした。アメリーが手元を離れたから料理に集中できるぞバンザイ☆みたいな感じにはなってほしくなかった。「フルタイムで働ける瓶人さん」への評価は、裏を返せば「時短」の否定です。そもそもあくまでも「定時帰り」の設定であったはずで、それはフルタイムとは言わないのでしょうか。

…ということで、確かに「2019年らしい現代のドラマ」として期待したのは正直求めすぎだったのかもしれないよ。でもねこれだけは言いたい、このドラマでワークライフバランスを評価してきた私たちは、やっぱり2019年の現代を生きる視聴者だったんだよ。お迎えシーンに萌えていただけじゃないんだよ。これは制作陣に伝わってほしいなぁ…受け手を信じてほしかったなぁ、なんて思います。だって令和元年の年の瀬だもの、まる。

このミーティングのシーン、なぜかハートのクッキーを持ってニコニコしている瓶人さんは癒やしでしたけれどね(しかもクッキーに描かれているスマイルの口角上がりまくり)。コックコートのホックが外れて襟が垂れているのも気だるい色気がありますしね…!

 

あと1つは今回ついに決着した感がある「3年前のアレルギー物質混入事件」…これはそもそもいわゆるインシデントであり、犯人追求をするべきものじゃないですよね。本来、誰がやったかじゃなくて、何故起こったかを検証するべきだもの。あれは完全に、取り違える可能性のある場所にナッツオイルが置いてあったという仕組みの問題だから…!祥平があまりにずっと辛い目に遭い続けているのでもう本当に悲しくなってきた。完全に犯罪者の烙印を押されてさ、(逮捕権なんてあるわけないだろうに)大使館のやつらに連行されてさ…。こんなことでいいの?組織ってなんだろうって思います。でもまあシェフの尾花が遁走しちまってる時点で、当時のエスコフィユに組織なんてものは機能していなかったことが伺えるわけですが。

 

最終回が年の瀬の大詰め、29日ということがわかりました。あと2話…!見守りたいと思います!

 

*1:先週、こういう重要なことを課金が必要な本編外で明かすのはちょっとアンフェアなような気もちょっとしていました