完全に猫なのさ

3年目ベイベーが及川光博さんについて書くブログ

「グランメゾン東京」第11話感想/そして物語は未来へ

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「グランメゾン東京」全11話、とうとう終わって、しまいました…!!

第2話以降、OA終わったらウワーってそのまま感想を書きまくって寝不足で月曜、ということを実に9回繰り返したのですが、昨夜は旅先で少々(だいぶ?)酔っ払っていたので潔く寝ました!今夜もホテルにいるので、録画ではなくTverで振り返りながら書いてみます!

 

gakuの尊みが限界を突破した

前半は最終回らしくバッタンバッタン物語を畳んでいくような展開でしたが、これはこれで疾走感がありましたね。まずはgaku。クーデターにより丹後シェフが追われたあと、待っていたのは結月による恐怖政治でした。結月と、柿谷からスーシェフの座を奪ったその子分(名前忘れた)。結局このおしゃくそメガネ男子のコンビは、厨房を崩壊させたのち退職金と称してレジから売上をかっぱらって、あっという間に物語から退場しました。なんだったんだ?

しかしこのシークエンスの白眉は、打ちのめされた江藤オーナーでした…。結月たちが勝手に空けて飲んでいたワインボトルを振り上げ、叩きつけようとするも「一番高いワインやないかい!」。当然、第4話の名台詞「ウニ出とるやないかい!」を踏まえたものだったわけですが、顔の横にボトルを掲げての泣き顔、最高でした。割ろうとしてたのに栓をして取っておこうとするあたり、ちゃんと商売人。ワインの価格については第1話で京野にワインの原価を下げろと詰め寄っていた描写があったので、一貫しているなぁと思いました。

その場にへたり込む江藤がめちゃくちゃ可哀想で、私がそこに感情移入できたのは、やっぱり前回で江藤の野望をちゃんと説明していたからだと思います。単なるライバル店の卑怯なおじさんにとどまらず、血の通った魅力的なキャラクターになったなぁと思うのです。

そしてそこに颯爽と現れたのが…丹後シェフ!座り込んだ江藤の前にスッと屈んで「今度は俺が救ってやる」。カッコいいっっっ!しびれる!!!!

改心した柿谷も「もう一度、丹後さんとやらせてください!」と頭を下げ、食材とともに隠してあった丹後のコックコートを出してくる…!トレードーマークのピンセットを襟に装着するスローモーションのシーンは、シャキーン!的なSEが入ってもおかしくないくらいで、何かもう戦隊モノの変身シーンのような高揚感がありました。結局メガネコンビは「雨降って地固まる」の「雨」の役割だったわけですが、これにより江藤、丹後、柿谷…本当の意味でgakuが1つになったことが胸アツです!!柿谷の肩をガシッと抱いて「やればできんじゃねぇか、ばかやろう」と嬉しそうな丹後に、照れて恐縮する柿谷。もう尊すぎてしぬかと思った。

「グランメゾン東京」が魅力的なドラマになったのには、gakuという唯一無二のライバルを魅力的に描ききったことが大きいと思います。もうほんと、全員大好きだよ!!!!泣

 

祥平をめぐる美優と萌絵の因縁にも決着がつきましたが、これは「グラグラメゾン東京」 のほうの文脈も多分に含まれているのではないかしら*1。でもそれは、課金してグラグラを見ていた視聴者への還元でもあるのかなと受け取りました。美優が大声で怒鳴った「画鋲をっ!!ごめんなさいっ!!!」は見ていて気持ちよかったです。

 

ラスボスの心を溶かした、光魔法のフルコース

さて、第10回までで「ナッツ混入事件」の決着がつき、星を阻止するリンダ=ラスボスであるという構図が示されました。つまり物語的には、ラスボスを倒せば三つ星は取れる!という展開に。でも本来のリンダは忖度しない、自分の舌に誇りと責任をもつ本物のフーディーです。尾花の説得に応じて店を訪れ、ミシュランの審査に向けて生まれ変わったコース料理と向き合うことになります。

この「リンダへのフルコースの提供」は、グランメゾン東京というドラマの総まとめとなる、最も重要なシーンだったのではないでしょうか。

逆に、フルコースの提供の様子を省略せず全部描いたからこそ、これは本当に、グランメゾン東京の最終回だなぁって思ったのです。

1皿ずつ提供される様子にこれまでの回想シーンが挟まり(以下にまとめました)、店の仲間たちとの絆が示されます。

〜リンダに提供された「グランメゾン東京」の新しいフルコース〜

○ウニのパンペルデュ(新)
○山羊乳のバヴァロア
○白子のポッシェ ショーフロワ(新)
○温かい手長海老のスープ(新)

 ▶回想:第1話「手長海老のエチュベ」→【倫子】

○リ・ド・ヴォーを入れたクスクスのサラダ(新)

 ▶回想:第1話「クスクスアラメゾン」→【京野】

○タルトブーダン(新)

 ▶回想:第2話「ナスのプレッセ」→【瓶人

○ハタのロティ ノアゼットアンショア(新)

 ▶回想なし:鍵となる倫子のメニュー。

キジバトのドゥミ・アンクルート(新)

 ▶回想:第5話「アッシェパルマンティエ」、第10話・同上→【祥平】

メレンゲのアイスクリーム

 ▶回想:第6話「鰆入りのまかないチャーハン」→【芹田】

○ クレームダンジュ(新)

 ▶回想:第4話「モンブラン・アマファソン」→【萌絵】

このあと、【栞奈】が加わるシーンの回想をはさみ、京野の「できたな、最高のチームが」というセリフの回想、そしてリンダを見守るメンバーたち。

ひとつのフルコースの提供を通じて語られたのは、1人ひとりが料理に打ち込み、この店を〈居場所〉としてきたこと。「ウニ」「手長海老」「クスクス」「レバー」といったこれまでの食材も散りばめられ、クレームダンジュのゆめかわな見た目は、第4話で萌絵が最初に作ったモンブランを彷彿させます。序盤に決められた「料理人もホールスタッフも関係なく客にサービスする」という設定も効いていてました。なんかもう、とにかく最終回っていう感じで卒業式の呼びかけみたいだなって思いながら見ていました。

眉間にシワを寄せたままウニのパンペルデュを食べ始めたリンダは、1皿ごとに胸を打たれ、心を動かされてゆきます。まるで、悪に囚われかけていた善玉キャラが光魔法によって目を覚ましたみたい。「倫子。俺たちが今までやってきたことを、全部今日出すぞ」「思いっきり楽しもう」という尾花のセリフ。あれは光魔法の詠唱だったんだなぁ。

このドラマでは、〈美味しいものを食べた人〉の表情の演技がものすごく重要でしたが、今回も1皿ごとに繊細な心の動きを体現しきった冨永愛さんに心からの拍手を贈りたいです!!

 

ミシュランの発表、そして物語は未来へ

前述のシークエンスこそがドラマの総まとめだとわかったから、ある意味、ミシュランの結果発表はもうどっちでもいいや!くらいの気持ちになって見ていました(おい)。このシーンはリアルに、本作を監修した「カンテサンス」(三つ星)や「INUA」(二つ星)をはじめ、実在するレストランとシェフ本人が実際の星とともに登場したようなので、本物の映像とうまく混ぜて作ったのだと思います。ミシュラン全面協力ってほんとすごいな!

結果、グランメゾン東京は初の審査で三つ星を獲得!会場の片隅で見守ってその場を去ろうとした尾花を、追いかける倫子。私はたくさんの作品を見てきたわけではないけれど、日本のドラマにおいて恋愛感情がまったく絡まない大人の男女のハグって、今までそんなに描かれなかったじゃないかなぁ…。お互いに尊敬し合う仲間としての熱いハグ、めちゃくちゃ泣けました…!

尾花がなぜマグロにこだわり続け、倫子を突き放し、店を去ったのか。これは、この期に及んで「もう一度尾花さんに、全部の料理ちゃんと見直してもらって…すべての料理の完成度を高めていったほうがいいって。」なんて言っていた倫子に、「自分の力で星を獲ったという手応えを与えるため」ということが作中できちんと語られました。しかしそもそも、「どうしてそこまでして、尾花は倫子に星を獲らせたかったのか」という疑問が浮かびます。

これについては、パリで偶然出会ったときに「倫子が尾花のレシピを正確に言い当てた」ことが決定打になったのではないかと考えます。誰の意見も聞き入れずにやってきた尾花は、まさか他人にレシピを言い当てられる日がくるなんて思いもよらなかったはずだし、あのとき、驚きとともに「自分の料理を本当に〈理解〉する人間と出会えた」という喜びを感じたんじゃないでしょうか。

 

最終回でもうひとつ印象的だったのが、未来への道筋が示されたこと。

「うちの大事なシェフが、これからどんな人生を歩んでいくのか、案じているだけです」

「早見倫子シェフは、世界中の料理人に夢を与える存在に、なる。」

栞奈と京野のやりとりは、一見さりげないものの*2アラフィフの主人公が、夢を叶えたあともキラキラ輝く人生を送っていくんだよ!という希望に満ちていて、そのことにすごく泣けました。だって第1話で倫子は、ランブロワジーの面接で「その歳で?」と訝しまれ、一緒に面接を受けた若者に馬鹿にされているんです。年齢にとらわれない生き方を提示したことは、2019年らしい新しさだったように思います。

そしてラストシーン。尾花と倫子のやりとりは、きっちり第1回を踏まえていました。

「俺たちでさ、世界中の星かっさらうってのはどう?」

「つまり、海外にグランメゾン東京の姉妹店を出すってこと?」

「お金持ってる?」

「貸さないよ!」

尾花は古巣のランブロワジーの姉妹店に誘われ(最後は浪漫亭にいたから引き受けていないのかもしれないけど)、瓶人は三つ星を獲ったので約束通りにパリへ戻り、家族と再会*3。さらにグラグラのほうでは祥平や萌絵の独立も描かれました。グランメゾン東京のメンバーはバラバラになってしまうのかもしれない。でも、エスコフィユのメンバーが再び1つになれたように、グランメゾン東京のメンバーなら世界中どこにいたって同じ志を共有できるし、いつでもまた一緒にやれる!そんな希望を感じさせてくれるラストでした。ランブロワジーの再登場、そしてエスコフィユの集合写真を思わせるグランメゾン東京の集合写真も、その未来を示唆していたように思います。

 

さっき倫子のことを「主人公」って書きましたけれど、この物語の主役は尾花のようで尾花ではなく、でもこんな役割を演じきったからこそやっぱり木村拓哉さんが主人公だったなぁ!!!と思います。不器用だけれど仲間思い、そして天才料理人としてのリアリティ…本当にすばらしかったです。

 

…ここまで今回、ぜんぜん瓶人さんの萌えに触れてこなかったんですけど、やっぱり及川さんもすごくて、、、でもなんか中盤からとっくに、ミッチーだと思って観てなかったんですよね。仲間への明るい声掛けや感極まったときの泣き方とかがずっと一貫していて、もうただひたすら相沢瓶人さんって人がそこにいるなぁと(語彙)、そのつもりで視聴してきました。ときどきミッチーっぽい仕草が漏れるけどミッチーがやっているからじゃなくて瓶人さんがミッチーっぽい人なんだなって。だめだ限界だ、言語化は諦めた。

私にとって想定外にうれしかったことは、サイコバニーの黄色いカーディガンを瓶人さんがびっくりするくらい着回していたことです。前回の市場のシーンに引き続き、シャルル・ド・ゴール空港での再会シーンでも着ていて驚きました。推しがドラマで着たカーディガン(2万円)を買っちまったなんて自分そこそこ狂ってると思ってましたが、なんかもうこれで元が取れたなって思いますね(真顔)。ちなみに年末年始も着ます。義実家で。

 

振り返ればあっという間の3か月でした。第7話以降、アレ?と思うことも時々あったけれど、第6話までのクオリティが異常だったような気もする!このレベルの作品はそうそう出現しないと思うし、次に及川さんが連ドラに出ても、これくらい本気でリアタイ+感想をやれる気はあんまりしないのですが…。とにかく今は、素敵なドラマで素敵な役を推しが演じてくれたことがとっても嬉しいです!!グランメゾン東京、3か月ありがとう!

*1:例の相沢回と最終回しか見ていないのです

*2:京野のセリフは回数忘れたけど、TOPレストラン50の後に出てきたリフレインですよね

*3:うさぎちゃんを抱っこしていて昇天した