完全に猫なのさ

4年目ベイベーが及川光博さんについて書くブログ

ドラマ「半沢直樹」原作・『ロスジェネの逆襲』を再読したよ

(検索から読んでいただいているので追記:本稿は「半沢直樹」第3話OA時点までの内容で書いています、あと及川光博さんのファンが書いています!)

先日、夏休みをとってソファでゴロゴロしていたのですが、『ロスジェネの逆襲』を再読しました。再読とはいえ、私は小説を読んだら「あー面白かった!!!」と大満足してストーリーを全部忘れてしまう女…たしか前作のドラマの後に読んだはずですが、再読したらやはり何も覚えていなくて大層新鮮な気持ちで楽しめました。大丈夫ですかね私。

 

 

Kindleの奥深くから引っ張り出してきて読みました

 

仮にストーリーを覚えていたとしても、初読の当時とは渡真利忍に対する熱量が違いすぎるわけで、とまりんへの思い入れを心の片隅に楽しく一気読みしました。以下、簡単に感想です。

 

※物語の内容に触れています。

※その前の俺たちバブル入行組とかも読んでいるのですがやはり忘れています。とにかく本記事では『ロスジェネの逆襲』にだけ触れています。

※この記事は後半でIQがめちゃくちゃ下がります(予告)

 

ドラマと原作のキャラクターの違いが面白かった

小説の感想と言いつつ、やはりこの小説を元にどうドラマを作っているか、ということに興味が向きました。読んでみて思うことは、ドラマは、原作を逸脱させすぎることなく、既存のキャラをパズルのようにうまく生かしているなということ。

 

①ドラマと原作で違う役割を担うキャラクター

原作でもやっぱり仲良しな、半沢&とまりん!!!これについては後述します。この同期(原作におけるバブル入行組)の関係でいうと、ドラマ前作で抜群の存在感を放っていた近藤も、出てきました。でもほんの少しだったので、それだけのために滝藤賢一さんをキャスティングはできないよね…と察したわけです。ドラマにおける近藤の近況についてとまりんが流暢な説明セリフで解説してくれたのは、ご存知の通り。

同じく同期として登場する苅田は、ドラマでは情報システム部に在籍。銀行の情報セキュリティに通じているという設定で第1話の展開に関わってきましたが、原作では法務部門の人間であり、東京中央銀行の買収スキームの法的な問題点を指摘していました。同じキャラだけど使い方が違う!

 

②ドラマに登場していて、原作に出てこなかったキャラクター

まず、大和田常務が登場しません!これは制作発表の時から「登場しないキャラをどのように登場させるか」に注目されていたわけですが、影も形も出てきませんでした。ドラマでは第1話で伊佐山が「大和田常務から三笠副頭取に乗り換える」という裏切りをかましますが、原作では伊佐山は最初から三笠副頭取ラインの部下でした。

物静かな男だが、三笠が決して温厚な男ではないことを、長く部下として仕えてきた伊佐山は骨の髄まで理解していた。

ドラマではこの裏切りが対立構造の成立に欠かせなかったので、脚本に技ありだなと思いました。第3話ラストでフリだったことが発覚したけど!

あとは、花ちゃん。わーお。全然出てきませんでした。そういえば半沢夫妻には息子がいるはずで前作には出てきたけど、今シリーズのドラマでは省略されていますね(だから半沢家のシーンは夜遅くの夫婦の会話ばっかりになっちゃう)。

そして、制作発表で言われていた通り、小料理屋の女将・智美さんも、セントラル証券の新入社員・浜村も。このあたりはほんとにドラマのために錬成したキャラクターなんですよね。でも違和感なく機能しているからすごいなと思います。

 

③ドラマと原作で人物像が少し違うキャラクター

脚本・演出、そして演者の解釈によって、人物像のディティールが原作とドラマで異なるキャラクターもいました。これもドラマ化ならではの楽しみ!

まずはスパイラル(原作では「東京スパイラル」)の瀬名社長。才覚があり、ちょっと血の気の多い若手IT社長というところは大枠では一致していますが、フォックスの郷田社長に心酔しているというのはドラマオリジナルの設定でした(原作では「一目置いて尊敬」という表現)。瀬名と森山の友情にヒビが入りかけるという展開も実はドラマオリジナルでした(けんかしなくてよかった〜!)。

次に、電脳雑伎集団の平山社長。服装については「サラリーマン時代を彷彿とさせる地味なスーツ姿だが」という記述があり、あの黒いマオカラースーツの出で立ちは、ドラマならではの味付けだということがわかります。「電脳雑伎集団」っていうちょっと胡散臭いネーミングを強調したのかな。

 

 

タイトルが表すとおり、この作品の背景にあるのはロスジェネ世代vsバブル世代の対立構造です。ロスジェネ世代を代表するのは、証券プロパーの若手社員である森山。

森山にとって彼らは、ただ好景気だったというだけで大量に採用され、禄は食むが能はないお荷物世代だ。(中略)少数精鋭のロスジェネ世代が働かされ、虐げられている

ロスジェネvsバブル、プロパーvs出向組という対立構造にがんじがらめになっていた森山ですが、それでも半沢の元で買収案件にかかわり、旧友の瀬名とも共闘することで、仕事に充実感を感じるようになります。以下は終盤のとあるシーン。

森山は少しおどけた調子でこたえると、改めて瀬名に向き直る。「それよりもオレからも礼をいうよ。最後の仕事、させてもらった。感謝してる」

もがきつつも奮闘する森山の造形は全編を通してとても好感がもて、彼の成長譚としてもおもしろく読むことができました。賀来賢人さんのキャスティングはとても似合っているなぁと改めて思います。

物語の舞台は2004年で、連載は2010年〜2011年、単行本の刊行は2013年。さすがに2020年となった今、ドラマでは役者さんの実年齢とは合わなくなってしまうので、ロスジェネだのバブルだのという言葉はまったく登場しません。それでも確かに、第1話で半沢部長が森山を飲みに誘って振られるシーンに象徴されるように、世代間のちょっとした断絶というのは、時代に関係なく普遍的なテーマなんだなと思いました。

そして、複数の対立構造が描かれるからこそ、どこにいても全くブレない半沢のキャラクターに光が当たることにも気づきました。やはり読み応えのある面白い作品だったなというのが全体の感想です!

 

そして原作でも大活躍のとまりん

さて!我らがとまりん

原作にもたくさん登場していました! Kindle版で読んだのですが「渡真利」で検索したら80個もあった♡(邪道)飲み会に限っても、焼き鳥やお寿司、もつ鍋など様々に出てきて、表情や所作が豊かに描写されていたのでそれだけで楽しめました。

ということで、読んでいたら勝手に及川光博さんの演技で脳内再生された素敵シーンをご紹介します!!

 

 ①とまりんが言いそうなセリフナンバーワン

「ご明察」

渡真利はいった。

「近藤からの情報か」と聞かれて答えたときの渡真利の返答。私、とまりんって「ご明察」って言ったことなかったっけって真剣に考えてしまったのですが、あったような気がする、それくらい及川光博さんが演じるとまりんがいかにも言いそうなセリフ!

 

鍋奉行とまりん

煮え具合をお玉で見ていた渡真利は、その手を止めて半沢を見た。

「どうやって? 電脳から聞き出したのか」

 可愛い!ハイ可愛い!!あ〜〜〜及川さん演じるとまりんがお玉を握っているところを見たい。湯気でメガネが曇るところを見たい。どうしても見たい。けっこう几帳面に煮え具合を見ている気がしますよね。もつ鍋って食べごろ見極めるの難しいし。ああそのもつ鍋を私も一緒につつきたい。このシーンでは「オレは善人代表の銀行員なんだ」という素敵なセリフも見どころでした!とまりんはやっぱり天使。

 

③半沢への愛と信頼

呆れた渡真利は、真剣な眼差しになって続けた。「(中略)だがな半沢、お前は子会社にいるべき人間じゃない。東京中央銀行の中枢にいるべき人材なんだ。そこのところ、お忘れなく」

これは、銀座コリドー街の「渡真利行きつけの寿司屋」での一幕を締めくくるセリフ。証券でやりたい放題しまくる半沢を心配して忠告するものの、半沢はどこ吹く風。大事な同期がまったく人事に関心がなく、とまりんは本当に気が気じゃないよね。それでもこんなセリフがでてくるのは、単に仲良しの同期ってだけじゃなく、同じバンカーとしてリスペクトもしているから。ああ尊い尊いなあ。

 

さてまもなく!!第4話のオンエアです。この一週間、リアルの人間関係で半沢直樹がめちゃくちゃ話題に出てきて(そして半分は「おしまいDEATH」が持ってった)、視聴率20%を超えるドラマの凄みをひしひしと感じました。おそらく第4話までで『ロスジェネの逆襲』は幕を閉じるのではないかという予感。楽しみに待ちたいと思います!