あ〜〜〜めっちゃ面白かった…。第4話で『ロスジェネの逆襲』編がクライマックスを迎えて、原作との違いも含めてめちゃくちゃ楽しんだのですが、そんな大詰めにあってもなお存在感が有り余る渡真利忍。すごいです。どうなっているのか。前半にとまりんのことを書いて、後半は笑いが止まらなかった取締役会について原作と比較しての感想を書きます。
(検索から来られた方へ:当方、及川光博さんのファンでごさいますので前半はとまりんへの萌えを叫んでおります。後半まで気兼ねなくスクロールしてください)
前回の記事(原作とドラマの違いに触れています)
とまりんの忍びの者としての真骨頂
いや〜渡真利忍の「忍」ってそういう意味があったんだねぇ知らなかったよ〜(棒)。
①東京セントラル証券会議室に舞い降りた牛丼天使
前作にリンクする「牛丼」。同期が好きすぎてついに出向先にまで訪れてしまう本店エリートの渡真利さん。とまりん&半沢の「ピンポーン!」の応酬、癖が強すぎます。そんな全力のピンポンってある?そして言及せざるを得ないのが、ピンポーン!したその指でとまりんの胸に光るバッジをつつく半沢……イチャイチャが過ぎる……。
半沢へのラブがダダ漏れのとまりんに対して、半沢はときどきデレるんですよ…こんなのずるい泣。
この前後、半沢、渡真利、苅田、森山が集まって「電脳電設」について重要なことを話していたのに全く頭に入りませんでした。
あと、ここで半沢が言い放つ「人事が怖くてサラリーマンが務まるか」というセリフに、森山が感銘を受けているのですが、原作では半沢・森山・三木の3人で飲んでいるシーンで出てきたものでした。重要なセリフのシーンにきっちり絡んでくるとまりん。
②行きつけのバーのカップルシート
お正月のスピンオフでの登場シーンと同じ席!!これはカップルシートということですねよくわかりました(したり顔)。「はんざわくん?」「しかしだよ」の言い回しが可愛いです!考え込むように口元に左手をやり、指輪がキラリ☆
③智美さんの店のカウンター+盗み聞き回想シーン
このシーンに揃っていたのは、半沢・森山・渡真利。大枠はよくある飲み会での情報交換でしたがメインはとまりんの回想シーンでした。忍びの者としての真骨頂!!
「もしもしとまりさん!」って電話をかけてる秘書部の後輩の男子がかわいい。それを受けて役員フロアに現れるとまりんの歩き方が美しい!!
大和田と伊佐山が対決している役員会議室に文字通り忍び寄って聞き耳を立てているとまりん。こんな管理職いる???
その後、伊佐山が歩いてくるのを察して、あわててその場を離れるとまりんも可愛い。映ってないけどその足元は間違いなく抜き足差し足忍び足。そっとドアをしめる指先までもがキレイです!
しかしこの大和田vs伊佐山の怒鳴り合いはすごかったですね、土下座って何回言った???この顛末を聞かされた森山が「どうなっちゃってんすか伊佐山部長」って言うけれど、視聴者に言わせれば「どうなっちゃってんすか東京中央銀行」だよ!
極めつけは、車両(管理部)からの情報を元に大和田の出待ちに向かう半沢に「ねえ、オレもいこうか」って心配するとまりん。私は倒れました。これ、とまりんが行ったほうが勝算があるってことじゃなくてただの寄り添いだと思う。過保護〜〜〜〜〜!!!
④智美さんのお店(もしかして利用されてない!?)
最終盤、『銀翼のイカロス』編に突入してからの飲み会にもご登場!「おじさんと若者の健全な親睦会」に必ずいるとまりん。
「シッシッシッ」からの「それそれそれ!」ってリズム感よい〜!
「その説は失礼しました。でもぉ〜、」が可愛い〜〜!!
「いやいやいやわからんけど」がこなれててスキ!!
そしてもう(中の人の)代名詞と言わんばかりの指パチーン!
しかしここで超びっくりしたのが、智美さんの挙動です。とまりんが話す紀本常務の情報を耳にして、ふと立ち止まり感情の読めない表情を浮かべます。
は???まさかのゴリゴリのスパイ説、ありなの?????
↑第1話の感想で、ちょっと古臭い「小料理屋の女将」という役柄について、「ゴリゴリのスパイだったりして」と冗談で書いたのですが絶対ないと思ってました。あるとしたらこれは面白いことになりそうです!脚本、推せる!!
だとしたら、情報通のとまりんめっちゃ利用されてるってことにならない?大丈夫かな(悲)
<とまりんの忠実な手先リスト(第4話のみ)>
①政治記者
②秘書部の後輩
③車両(管理部)の誰か
欲しい情報を必ず、しかもタイムリーに手に入れるとまりん。大和田の出待ちの前のシーンでもiPhoneを手に席を立ち、すぐに情報を得て戻ってくる。東京中央銀行のわるいひとたちはとまりんのiPhoneを奪えばいいんじゃないかなあ。
クライマックスの取締役会がどう描かれたか(原作とドラマの違い)
原作でもドラマでも、クライマックスになったのは500億の追加融資を審議する取締役会でした(@土下座部屋)。
飛び交う怒号、炸裂する顔芸、テレビショッピング大和田、涙目でブチ切れる伊佐山、コダマみたいな顔で逃げ出そうとする諸田。ああ情報量が多すぎる(このシーンのCM前、提供読みの背後でがなり合いが聞こえて爆笑した)。
…気を取り直して、原作との違いにも着目して見ていきたいと思います!
電脳電設の設定の違い
ドラマでは、電脳電設は「次世代スイッチング電源」の特許をもっており、電脳の財務部長・玉木の父が社長という設定でした。一方、原作では単純に「社内ネットワーク構築の周辺業務を請け負う会社」として説明がなされたのみで、人質になった特許や親子関係は登場しません。ドラマでは将来性のある「特許」を取り扱うことで証券会社が投資先を探すという展開に、また(池井戸作品の)日曜劇場っぽさにつなげる仕掛けになっています。
「誰が」半沢に味方したかの違い
この展開には舌を巻きました!原作では、半沢の元上司であり理性的な内藤部長(ドラマでは吉田剛太郎さん)が取締役会のストッパーとなったのですが、内藤が登場しない今作では、まさかの…大和田が…味方に…!!うわあああああ!!!
原作で、取締役会に半沢を招き入れるのは内藤部長です。「彼は、私の代弁者だと考えていただきたい」この、原作の内藤のセリフをまるっと大和田が言うんですよ…!これは痛快だ!!大和田の、テレビショッピングばりのわざとらしい相槌には爆笑しました→「えーっ!?(でも、お高いんでしょう?)」
内藤部長はもともと半沢の味方ですが、大和田は一番の敵役。この展開は想像だにしないサプライズで、ウルトラCの翻案だと思いました。あとはとにかく、車寄せの出待ち〜取締役会まで、香川さんの演技にずっと爆笑しっぱなしでした。あの人の顔面の筋肉には次世代スイッチング電源が仕込まれているのだ(知らんけど)。
伊佐山のリアクションの違い
取締役会に乗り込んで、まずは伊佐山をこてんぱんにブチのめす半沢。ここでのセリフは実はけっこう原作からそのまま生かされていて面白かったです!しかしこれを受ける伊佐山のリアクションが、原作とドラマで全然違ったのです。一言で言えば猿之助さんが1000000000倍にインフレさせて演じていました。
まず半沢の「ゴミ扱いしているのではありません。ゴミだと申し上げているのです」の煽り文句。原作では
「ゴミ扱いしているのではありません。ゴミだと申し上げているのです」
「なんだと!」
伊佐山は、いまにも椅子を蹴立てて飛びかかってくるのではないかという剣幕だ。
これがドラマでは
「ゴミ扱いしているのではありません。ゴミだと申し上げているのです」
「ゴーーミじゃないーーーッ!!!!!!!」
次に、電脳の粉飾を半沢がすべて説明した後のシーン。原作では
いま、全員の視線が集中する中、伊佐山は茫然自失の様子でかけていた。
これがドラマだと、
「ア゛ーーーーッ!デタラメ抜かすんじゃねーぞーーーッ!!!」
…いや、すごくないです????
三笠に謝らされたところの「まこっとに〜〜ィィあい〜すみ〜ませんでしっったアァァ〜〜!!!」とかもすごかったし、このあたりはずっと歌舞伎の新しい人気演目と思って見ていました。
なお、原作での伊佐山は、取締役会で叩きのめされた後、1500億円を返してもらうためにその足で電脳に行き、きっちり仕事をしているのです。ここはなかなか好きなシーンでした。
「そうかも知れませんな」
平然と、伊佐山は受け流した。プライドをかなぐり捨てた男が、ここにいる目的はもはやひとつだけだった。
「それで、いつご返済いただけますでしょうか?」
なんとなくだけど、ドラマの伊佐山はあれだけ炎上したあとにこんな冷静な仕事はできてなさそうな気がしました(笑)。
三笠の設定の違い
上述のシーンでも、とかげの尻尾切りで逃げ切ろうとした三笠!原作の三笠は単なる敵対勢力だったのですが、ドラマでは電脳とズブズブのめっちゃ悪い奴でした!!
鍵となった「メモ」の件、ドラマでは半沢から諸田→伊佐山に言付けたものの三笠がもみ消していましたが、原作では伊佐山を訪ねて相手にされず、内藤部長に話した、という展開でした。原作の三笠は普通に知らなかったので激おこです↓
「企業分析などという、最も基本的なもので負けたんですよ、あの半沢氏に。これ以上の恥がありますか。なんで気付かなかったんです」
後述する「勧善懲悪」のために「わかりやすく悪い奴」となった三笠は、古田新太さんが好演。全編を通してほぼ表情を動かさない演技、怖かったです!
その他の感想
ぜえぜえ、疲れた…。元気が残ってないので箇条書き。
- 前作で土下座が話題になりまくった結果、土下座がものすごく重要な意味をもつ世界になっており(そんな銀行は嫌だ)、全体的に、やたらと謝らせようとするドラマですよね。伊佐山→半沢の「詫びろ」、三笠→伊佐山の「詫びろ」、そして半沢→諸田の「みんなに謝れ」(第1話の伏線回収)。原作の半沢って別に超善人ってわけじゃないと思うのですが、勧善懲悪ドラマとして人気を博したためか、「悪いことしたら謝れ」っていうメッセージがつよつよなんだな〜と思って見ていました。
- この「詫びる」に対置されているのが今作で爆誕したパワーワード「恩返し」ですよね。廊下で大和田が「施されたら施し返す、恩返しだよ」で大見得を切る(文字通り)のあたりは歌舞伎の新しい人気演目と思って見ていました(2回目)。
- 「君たちは40代から20代、大半は就職氷河期で苦労をした人間だ」のセリフは、ここでロスジェネ世代への言及がある〜〜!と思ってびっくりしました(ざっくり40〜20代とまとめることで、時代ズレの問題もチャラに)。「逆襲」を「倍返し」と言い直すことで、原作タイトルとドラマの代名詞となったセリフをリンクさせた手腕に唸りました。
- あの取締役会に、とってつけたように女性役員のエキストラを2名置いたのには少し鼻白んでしまいました。女性の扱いがお飾りなドラマではあるけど、もう振り切ったフィクションとして楽しめているので(私は)、そういうことじゃないから!って思った。表層的な演出は別にしなくてもよかったんじゃないかな〜。
第3話のあとで『ロスジェネの逆襲』を再読したことで、第4話は重層的に楽しめました!じゃあ『銀翼のイカロス』も読まなくちゃね!これは読んでいないはず…と思ったら本棚から出てきました。読んだことすら忘れてしまう自分におののいています(もちろん作品がどうこうではなく私の欠陥です。。)
なんとなくですが、放送も遅れたことだし、15分拡大を連発して4話+4話の全8話くらいになるのかなぁとにらんでいます。後半戦も、とまりんの活躍に期待です☆