生まれて初めて、宝塚の公演に行ってきました。
普段は、ミッチーさんのベイベーをやっております*1。
誘ってくれたのは、柚香光さんのファンである妹。
姉は、妹がひょんなことから宝塚に触れ、あれよあれよというまに大波にさらわれてゆくのを近くで見ており、こわいなぁ…と思ってました。
スペインが舞台のお芝居を観た…ような気もするのですがやっぱり別世界で何かを観てきたというのが真相のようなので、荒いですがざっと感想を残しておきます!ちなみにとても観やすい3階席から楽しみました。ありがとうカナケン!オペラグラスもバッチリ装備です!
※パンフレットを買いそびれたので、観たままで書いています
ミュージカル・ロマン『哀しみのコルドバ』
主人公は、闘牛士・エリオ(柚香光)。“グラン・エリオ”と称され当代一の人気を誇り、まもなく師匠の娘・アンフェリータ(音くり寿)との結婚も控えている。まさに順風満帆な人生!
そんなとき、8年前に突然行方をくらませたエバ(星風まどか)と偶然再会…!燃え上がってしまう2人の心!でもエバには名士リカルド・ロメロ(永久輝せあ)いう恋人がいて…!
…という感じのお話です(たぶん…!)
柚香光さんが演じるエリオは溌剌とした精悍な若者そのもので、かと思えば、「どした?」「もう言葉はいらないよ…」とかのかすれたお声はセクシー。そして序盤には、道ならぬ恋に落ちた仲間のビセント(聖乃あすか)を説得したりして、エリオの理性的な一面が描かれます。とにかく人望があって、みんなの目標みたいな人物なんですよね(下級生さんと思しき方が演じる若手闘牛士のセリフで「早くあんなふうになりたいなぁ!」ってセリフがあり、ダブルミーニングのようで印象的でした)
なのに、エバと再会してから、転がるように運命が変わっていってしまう。リカルドのセリフにもありましたけど、エバという女性、とにかくファムがファタりすぎ。
しかし、星風まどかさんには、それを体現する説得力がものすごくあると感じました。他の組でトップ娘役を務められて異動してこられたという背景を知り、なるほどなぁとも思った次第…。
組み合わせを変えて三角関係の苦悩を三重唱で歌うナンバー、悩ましくてとても素敵でした(会えなくて血がにじむ、みたいな歌詞があった)。
当時(19世紀)のスペインでは、男と男の決闘って合法だったのですね。そんな世の中で、みんなに尊敬されるエリオの運命が、どんどん狂っていってしまう!
観劇中の私「どうすんのよエリオ〜〜〜〜〜〜!!😭!」
エリオの独白「…どうしたんだよエリオ」
ほらぁ〜〜〜〜!!!!😭😭😭
ここからは観劇中の心の動きでご紹介。
思い詰めたエリオ、ついには婚約者の父(=自分の師匠)に気持ちを打ち明けます。えええ!!結婚式直前に、そんなこと言ったら殺されるよ…!!あれ??お父さん人格者すぎるし理解ある…。
そしてそれをうっかり聞いてしまっていた婚約者のアンフェリータ…!えっ、そんな、優しいよ、身を引いてしまうの?
アンフェリータはおそらくエリオやエバよりもうんと若いお嬢さんで、明るく純粋なロマンチストとして描かれていました。だから私、アンフェリータがエリオの胸の内を思いやる独白「苦しかったでしょうね…」が意外すぎて。もっと聞き分けがないものと思っていたよ、ごめん…。でもそうやってエリオいたわりながら溢れ出す本心、「でも、結婚したかったなぁ…」で、私、号泣ですよ。もぉ………。
頼むから幸せになってくれ…!!
さて、観劇中の心の動きに戻ります。
婚約者の父も許してくれて、婚約者本人も身を引いて、えっまさか、2人を隔てる障害がなくなる系?
いやでもこれタイトルが「哀しみのコルドバ」やん??ハピエンは無理くない…??
あっそうだもうひとつの障害、リカルド(エバの恋人)がいるじゃない、ほら〜〜〜決闘を申し込まれたじゃない…!どうすんの!!まさかここで…!?
エリオとリカルドが銃を構えたその瞬間、息せき切って止めに入る、エリオの母親と、エバの母親。2人によると、「エリオとエバは絶対に一緒にはなれない」事情があるって…。
まさか、これはまさか…
ぁぁぁぁぁやっぱりィィィィィィ!!!!
二人は腹違いのきょうだいだったぁぁぁぁ〜〜〜!!!!
絶望したエリオは、同じ真実をエバに告げて苦しませた者は殺す、と宣言。教会で待っていたエバを抱きしめ、未来を約束します。
あっ
あっこれは
待ってこれは……
闘牛場で、栄誉あるマタドールとして命を散らすおつもりですね……エバには何も告げずに…………
音を立てて立ちまくるフラグ。闘牛のシーンは、もう何が起こるか分かっていたので、ステージを染める真っ赤な光が、禍々しくさえ思えました。
そして運命の瞬間がやってきます。恍惚の表情を浮かべて、体を逸らせてゆっくりと倒れるエリオ。演出がそのようになっていたのですが、実際にスローモーションにしたかのような、“その一瞬”が永く永くそこに存在していました。美しかった…。そして強靭な体幹を思いました…。
ピンスポを浴び、舞台の真ん中で息絶えたエリオ、そして泣き叫ぶエバ、駆け寄る仲間たち…。
そんな輪を残して、緞帳が降りてゆきます。
悲しすぎるやろ…………!!!!!(大ショック)
ミュージカルならば全員生き返って大団円のカーテンコールがあるけど、終わってしまいました…悲しい…!!
妹が観劇後にTLで「エリオーーーーーッ」て叫んでる意味がわかりました………叫ぶわ…………😭
— くいな🐤 💭 (@purplekuina246) 2021年9月12日
パッショネイト・ファンタジー『Cool Beast!!』
※なんとお写真を撮って良いタイミングがありました!
休憩の終わり、そろそろショーが始まるという頃。以下、LINEでの会話です。
妹「ショーは別物がやってきます!」
私「生き返って嬉しい😭」
妹「生き返るというか、もうなんかやばいやつが来るので」「このあとは『かんがえるな かんじるんだ』の時間がはじまります」
私「りょ…」
以下、刺激が強すぎてあんまり記憶が残ってないんですけど、箇条書きで。
- 拍手と手拍子のタイミングめっちゃ難しいけど食らいつく!
-
星風まどかさんの「だまされない♪だーまされない♪」の歌、めっっっっっちゃ可愛い!!!!アイドルみたいな振り付け超かわいい!あと、マイクを持つことってあるんだね、なるほど新鮮!と思ったら…
- 次のナンバーで、トップスター柚香光さんが握るマイクが肉だった瞬間、考えるのをやめた。あと、イケ散らかしながら振り回すその肉が食いかけだとわかった瞬間もうダメだった。さらに、\テッテレー/でもっと巨大な肉が出てきたところで色々と諦めた。
- 柚香光さんが広告キャラクターを務めるチャコットの新しいビジュアル、完全に作画・山岸涼子じゃんという話をしていたのですが、ショーの中に、完全に作画・山岸凉子な箇所があると聞いていました。わかりました。2箇所ありました。裸足のところと、中性的なコスチュームで永久輝せあさんと怪しく踊るところ…!身体能力しゅごい…滞空時間おかしい…ドレープが美しすぎる。後者は大胆に片足を露出したお衣装で「どうしようまるで女の人みたい」って、めちゃくちゃドキドキしました。…あれ???
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トップコンビのデュエダン(←という知見は得ていました)、しっかりスペインの香りだったので、(お芝居の中の)現実では叶わなかった2人のダンス…ってなりました。幻想の中でだけでも幸せになってくれ…!泣
- ロケットダンス!ういういしい!!みんなかわいい!
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そしてフィナーレ。トップスターが背負う真っ赤な羽根を見た瞬間、この世の色々がどうでもよくなりました。想像の1.5倍くらい大きかったです。しかも後ろの羽根の一本一本まで生き物みたいにふさふさ躍動し続けている、一生揺れてる。
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あれ私何観たんだっけ、そこそこ、だいぶ、かなり悲しいお話を観たはずなんだけども…?
印象に残った生徒さん
トップコンビのお二人以外について、みなさん素敵だったのですが、初見の私が分かる範囲で、すみません…。
まずはやっぱりリカルド役の永久輝せあさん!お声がつややかで美しかったし、端正なお顔立ちでついつい目がいってしまいました。
そして、アンフェリータを演じた音くり寿さん。キュートだし圧倒的美声!そして「でも、結婚したかったなぁ…」の一言でブワッて泣かせる力もやっぱりすごいですよね…。
エリオのお母さん、ドンナ・マリアを演じた高翔みず希さんは組長さんでいらっしゃるのですね。セリフを喋った瞬間にお芝居がギュッと締まって素敵でした。
祭りの歌手を演じた羽立光来さんもエキゾチックで魅力的でした。というかイケメンでした…。
あとは…ロケットダンスの真ん中へんにいて最後に下手に捌けていった方です…(語彙)。
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ということでスペインに行ったつもりが異世界に行った感じで、帰ってきました。
独特の文化で素敵だなぁと思ったのは、観客席に鳴り響く「太く短い拍手」です。バッと鳴り始め、ちゃんと間をおいて次の拍手へ。拍手はずっと鳴り続けていてもよいかもしれませんが、こうやって「休符」を挟むことで、「誰のために叩いているか」を明確にする効果があるなぁと思いました。1人1人を熱く応援する、ファンのみなさんの心を感じました。
今、仕事がとても忙しい時期なのですが、トップスターさんの羽根を見ると、いろんなことがマジでどうでもよくなったので、相当に強い効果があるのだなぁと思いました。非日常ってやっぱり大切。このたびは素敵なものを見せていただき、ありがとうございました!
*1:ミッチーさんが紅ゆずるさんに提供された「紅のマスカレード」を含むショーはBSを録画して観ました!ミッチーさんの持ち歌のはずが、完全に当て書きみたいだった。