完全に猫なのさ

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開きそうで開かないブラックボックスと専務のお口/「最愛」第2話感想

2話にして、ってタイトルの記事ですが2話にしてリアタイができずに恐縮です…*1

しかし録画で観てみて、クオリティの高さに唸りまくったわけです。いやこのドラマすごい〜〜!!てかまだ2話〜〜!!!

 

2話にして、全員のキャラ立ちが半端ない件

  • 梨央(吉高由里子→モノローグから始まるのがよかった…。しかも高校生のときの天真爛漫なセリフに、陰のある今の声をつなげて「好きだった」っていう過去形な…(悲)。
  • 特に今回着目したのが梨央の変化!デリバリーの食事で「抜いてっていったのに」とこぼして加瀬にニンジンを押し付ける様子は、寮の食堂での姿とはかけ離れていました。東京の家に来たばかりの頃のセリフで「今はなんでも食べます」というのもあったし…。この15年で梨央には明らかに「好き嫌いができた」のです。
  • そして変化について意外だったのは、15年前/現在でパキっとシーンを分けるのかと思いきや、そうではなかったこと。2話では、上京からしばらくたって、冬の白川郷に帰省するシーンがありました。そこで明らかになった衝撃の事実は後述しますが、このときの梨央の服装は、あったかい雰囲気を残しつつも、品のいいピアスやネックレス(K18っぽい)を身に着けていて、1年弱での生活の変化を物語っています。こういう変化が少しずつ重ねられて、「現在」ではジミーチュウのハイヒールを履いているわけです…*2
  • 後述する、クソ兄を出し抜くシーンで見せていた表情も名状しがたいものがあり、これが2話冒頭で「他人の振り」をして警察署で大輝と対峙する表情につながるのだと思うとゾクゾクします…!
  • 加瀬(井浦新→いや。。。ちょっと。。セリフをダーッと抜粋しますよ。「帰ったらそれゆっくり話聞かせて」「大丈夫?って聞いたら必ず大丈夫っていうけど、大丈夫じゃないときも大丈夫っていうでしょ」「約束な、嘘つくなよ」「今度は付き添うよ」いや彼氏か。もう溺愛ぶりが半端ない。加瀬とは食事をともにするシーンが重ねられているので、それだけ運命共同体のような、近しい存在として設定されているのでしょうね…。そもそも15年前の段階で「この家では私があなたを守ります」とか、完全に姫をお守りする騎士だもの。やっばいこの後どんだけ狂ってくるか見ものだわ…。
  • そんな加瀬が最初に手助けしたのが、梨央から兄・政信(奥野瑛太への逆襲。愛車にハンドルロックをつけられて母(薬師丸ひろ子)に当たり散らすときのセリフ→「車にほら、あのあれ、なんかガシャッて動かせなくなるやつ!」。いや兄…小5じゃん…。母は「話に具体性が乏しいわよ^^」なんて受け流してるけど、いや普通に馬鹿じゃん…。家族での会食シーンでもコンプ大爆発だったし、、現在のシーンはほとんどまだ出てきていないけど、それはもう残念な大人に仕上がっているのだろうなという予感しかしないわけです…。
  • で、この諍いを階段から覗き見ていた母(薬師丸ひろ子は、梨央にネゴシエーター(≒経営者)としての才を見出してほくそ笑んでおり、実際次のシーン(海の散策)で、梨央にビジネスパートナーとなることを持ちかけるのでした。母としてはどこか欠落しているけれど、普通の母娘関係が難しければビジネスパートナーになっちゃえという思考は、ぶっ飛んでいるけど建設的。そしてスーパーチャーミングなので憎めないのです。
  • そして捜査チーム。桑田(佐久間由衣のあだ名は桑子なわけですが、桑子、ハンドクリーム塗り子。いや行動のクセが強すぎるから!!!その後のシーンでも電話中の先輩(=大輝)の手帳から捜査資料を拝借して勝手に読んだり、ちょっと動物的な雰囲気のある人物のようです。てことはなんとなく、捜査のカンもいいんだろうな。
  • からの係長ツダケン。1話よりさらに脱ぎ乱れてついに素足&スリッパ姿。いいぞもっとやれ。
  • 今週も笑顔ひとつ見せずにタフに嗅ぎ回るしおり(田中みな実やっぱこの役に田中みな実は普通、思いつかない。
  • そして最後に、大輝(松下洸平大麻事件に関与してマスコミに付け回されるマネジャー(水崎綾女)をさりげなくかばったり、最後の最後、梨央を抱き寄せて怪しい車から守ったり(しっかりナンバーを目視して覚える刑事しぐさぱない)、いやイケメンムーブ連発じゃん…!「大きな輝き」という名前をもつ大輝ですが、実際、彼が画面で放つ輝きはかなりのものがあると思います…好きになっちゃうよォォ!!!

 

脚本と演出が今週もエグすぎる件

  • 今週のカメラワークを1つ挙げるなら、中華料理屋の円卓の真俯瞰(しかも魚眼っぽい)でしょう。めちゃくちゃわかりやすく、歪な家族の形を表現していました。変態ですね(褒めてる)。あと、前のシーンのつながりから、ここまでは現代パートかと一瞬思うのですが、おどおどと目を泳がせる梨央の姿で15年前だということに気付きます。こういう切り替えもスリリングだった!
  • 2話では、前述した白川郷への帰省がキーポイントになりました。事件の夜に何があったのか、いやまさか、一部始終が映った映像が出てくるとは流石に思わなかったわ…姉を守ろうとした弟の正当防衛?によって宮崎は死んで、父がそれを始末した…ということが梨央にも、視聴者にも、明白にわかってしまった*3。つまり、「現在」の梨央が宮崎の父を殺す動機、けっこうあるよね…ということ。いやこの衝撃…2話ぞ……。。

 

後藤専務a.k.a.不気味ッチーの造形について語り尽くしたい

  • はい…。今週たまらんなと思ったのが、キャラデザの神がかりっぷりです。最初に写真を突きつけるシーン、目を伏せたとろで、ほんのりアイメイクの気配。いいよいいよ〜こういうさりげないアイラインいいね〜ワンマンのシューティングの時もこれくらいでどうかな〜
  • 血色とツヤを徹底的に排除した極マット肌がたまりません→愛用ファンデ教えてください。
  • そして監視カメラを意識してマオカラーを直すシーンが予告(1話翌日のナビ番組)と別カットで衝撃を受けたのでした。予告は挑発的に口を開いてみせていたのが、本編では比較的さらっとした動作で、そのぶん静かな不気味さが際立っていました。まぁ私は予告のほうがエロくて好きですけど!!
  • そして2話最大の見所、薬師丸ひろ子さんとデートお寿司屋さんのシーン!うわあああマオカラーじゃないけどダブルのスーツ!慇懃!最高!あとマグロ色のネクタイでTPOばっちり(違うだろ)
  • 着席するシーンで目にとまったのは、どこまでもまっすぐ伸びた背すじと、神経質そうに切り揃えられた襟足。360度どっから見ても美しい…
  • あまり口を開けずにお寿司をペロリンッて吸い込むような仕草はちょっと爬虫類みがありました。とにかく、キャラデザが一貫してる…!
  • グラスを掲げながら「梨央さんの未来に」のクソ嫌味。しかし1枚上手の社長は余裕しゃくしゃくで「私たちの友情にも乾杯しましょう」とグラスをあわせてくるもんだから、不意打ちをくらって今度はお口が開いちゃってる専務…かんわゆい……
  • 専務はもちろん意地悪じゃないんですよね。創薬部門にお金がかかりすぎているという指摘は正しいものでしょうし、やっぱりリアリストなんだと思う。ところで私この予想が当たって嬉しいです↓

 

最後に、ラストシーンについて書いておきます。他人のふりをやめて、改めて「友達として」話そうと、見つめ合う梨央と大輝。でもその2人の間に背景には、「危険」を告げる真っ赤な踏切の警告灯が光っている。一瞬の雪解けがありつつ、やっぱり「友達として」なんて無理なんだ…。そしてギギッて一瞬開きそうになりつつ開かないブラックボックスいやこっわ!!!!!

2話の予告は、削ぎ落とされまくって情報量が死ぬほど少なくて、めちゃくちゃ飢餓感を煽ります。やばい。このドラマは、やばい!!明日、第3話!!!*4

 

*1:オーチャードホール小曽根真さん聴いてきたのです。耳が洗われました…

*2:現代編クランクイン時の公式ツイッターより→

https://twitter.com/saiai_tbs/status/1436507420277174274?s=20

https://twitter.com/saiai_tbs/status/1436507420277174274?s=20

*3:同時に、梨央はある意味“無事”だったこともこの映像によってわかりましたね…ちょっとホッとしたけどそれでも結末が最悪であることには変わりないわけで…鬱。

*4:といいつつまたリアタイできない…週末に見て感想上げます!