完全に猫なのさ

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「もしも」の果てに/「最愛」第7話感想

えーとシンプルに言います、助けてください。

7話、いちばん心臓がギュッてなりました。観ながら生きた心地がしなかったです!息、あんましてなかったです!

明日の8話OA直前になってしまいましたので、ザッ!とメモをまとめる感じで書きますね。

 

大輝の“左遷”を描く脚本と演出がレベチ

まずはここからいくよ!!大輝が山尾係長といっしょに管理官に呼び出されてしまったよ…!俺のせいやん…という顔で不安げに見つめる桑子。偉い人と話すために服を着る山尾。

この次のシーンでは、会議室を辞去したあと廊下→階段へ、思いつめた表情の大輝が歩いてゆくのですが、踊り場のカットがやばいです、手すりと手すりの間に大輝を閉じ込めるようなクセ強カメラワーク。これは、以前、大輝が山尾から梨央との過去を勘ぐられたシーンで、長机とデスクライトで囲まれた台形に押し込まれたのと全く同じ効果だと思います。そこに胃を締め上げるようなストリングスの劇伴が重なって、えっぐぅぅぅぅぅ!!!!!

ところで視聴者はこの時もまだ、大輝の身に何が起こったのか知ることはできません。しかしダンボールに私物を詰めて捜査本部を出ていこうとする大輝を観て、「あーこれは…」と察するわけですが、桑子との間に交わされた会話は、

桑子「あの…」
大輝「これやるよ。頑張れよ」

だけなんですよね。もうね削ぎ落としが半端ない。これね並のドラマなら絶対桑子にもっと、筋書きを補足する台詞を喋らせてると思うんですよ。例えば「宮崎さん…!そんな、異動なんて…」みたいな感じで(適当ですが)。

 

その後、桑子に呼び出された居酒屋で係長のキープボトルを勝手に飲む大輝がめちゃくちゃいいですよね。飲み干しちまえよ!!!!

思いつめて謝る桑子に言う「桑子のせいじゃないよ」とか、警察官らしいザラッとした風合いの声の出し方がセクシーでたまりませんでした。優しく取り繕うことはしないけど本心からの発言だと伝わります。

結局、異動先が「所轄の生活安全課」ということは、さらにその後、優との会話でようやく明かされるのでした。刑事ちゃうやん……泣。私、大輝は梨央に対して最後まで「刑事」として対峙すると思っていたのでこれは本当にびっくりしました。

 

梨央と優に訪れた穏やかな日常…

7話では、梨央&優きょうだいの怒涛の癒やしパートが展開されました。

…いやでもそれが一番怖いんだが???

優から送られてきていたポストカードを、恥ずかしいから外すように懇願されて、梨央は柔らかく微笑んで「外すでな」。そうだよね、もう飾って眺める必要はないんだよね。そばにいられるから…!!

「姉ちゃん!姉ちゃん!」って連呼する優、かわいいなぁ。姉が用意した短すぎる部屋着のパンツを履き続ける優、かわいいなぁ。加瀬を慕う優、番犬になつく仔犬みたいでかわいいなぁ…(そして加瀬まじでメンター)。

7話のなかで、梨央と優が「ただいま」「おかえり」と言葉を交わすシーンは2回出てきました。しっかりと2人暮らしが始まっているんだなぁと印象づける効果があったように思います。

 

もらったものを「未来」に繋げてゆく優

7話の優は、前を向く姿が印象的でした。その象徴はやはり、治験への参加を決意したことですが、個人的には、“もらった優しさを誰かに返して、未来に繋げよう”という姿に胸を打たれました。例えば、「大事なのは、そういう経験を経た君がこれからどう生きていくかじゃないかな」という加瀬の言葉(ぐう名言)を胸に、弁護士を目指すことに決めたり、梨央と向き合わずに去ろうとする大輝に「逃げたってなんも変わんないぞ!そう言ってくれたのは大ちゃんやろ」と精一杯の声で訴えて、切れかけた2人の縁を結び直したり。はぁぁぁぁぁ〜〜〜優〜〜〜〜〜〜〜(号泣)

いやそれにしても、今週の君に夢中タイムもやばかった。2人の運命が交錯するのはいつだって、踏切、歩道橋、交差点…安定した場所じゃないんですよね。道路の向こうで、送迎車の脇に佇むワンピース姿の梨央。女神かよっていう美しさでした。こういった撮り方や「♪君に夢中」との絡め方は、梨央のファムファタール如実に表していると感じます。そうよやっぱり、♪人生狂わすタイプ、なのよ…。

こうして優の尽力でいっしょに食卓を囲むことになった梨央、優、そして大輝。テーブルに並んだのは優が作った牛丼でした。寮夫だった父・達雄が作っていた牛丼の思い出を語り合う3人。これもまた、優が父からもらったものを受け継ぐ形だと思います。

 

少しずつ真っ黒な水に沈んでゆく後藤専務

未来に踏み出す梨央と優に対して、真っ黒なものを抱え込んでズブズブと危険水域に沈んでいく後藤専務。やばい お願い いきて…

この対比は、加瀬が買ってきた参考書(=未来の象徴)を見ながら梨央と加瀬が幸せそうに話すところへ、廊下を通りかかった後藤にフォーカスインすることで表現されていました。いや裏金バレて真っ黒やし、買収しようとしたら録音されるし、そりゃ鼻血も出るわ(©赤ペン瀧川さん)(説明しよう!後藤は左右両方の鼻から鼻血を出すことができるのだ!)

なんだかこの後は、加瀬との絡みが多そうです。序盤で情報屋を雇っていたことを加瀬に詰められるシーン、それ自体も眼福でしたが、あそこで激かわ激萌えオフショット(大量)が撮られたかと思うとニヤニヤが止まりません。

そして、盛大などんからがっしゃーんが聞こえる専務室の前に通りかかったのも加瀬。ああ、緑のランプシェードもお気に入りのマイ湯呑みもきっと無事ではないでしょう…。このシーン、一瞬漏れるうめき声がセクシー過ぎませんか?「紅のマスカレード」の「ウッ」をすごくワイルドにしたような感じ…ええ、リピしましたよね(真顔)

 

極めつけは、ラスト〜予告にかけて。

巨大なキャリーケースを引いて足早に去る専務のカット。

それ…
人入れるサイズやないですか、、、、???

これ、実際は、後述のしおりのニュースと絡めた上手なミスディレクションではないかと思うのですが、もう「そういう風にしか見えない」んだよぉぉぉぉ泣

 

そして予告…。

やめて!そんなに力づくでハンマーを振るったら!壊れてしまいます!!!オタクのハートが!!!!!!

 

しおりの「もしも」と、絶たれた未来

はーーーーーーー…。梨央と優⇔後藤の対比もですが、しおりとの対比もしんどいオブザイヤーでした。だってしおりの「未来」は、死をもって完全に絶たれてしまったから。

裏金突き止めるあたり、態度がアグレッシブすぎて「いや消されるぞ????」って思ってたけど、本当に死んでしまったよ、しおり…。

「死んだら名前がトップニュースになる」という歪んだ承認欲求も、7話モノローグも、この「死」に向かってまっすぐ糸が張られていたんですね。実際はトップニュースになっても「30代女性」という匿名の存在であり、朝食のテーブルを囲む幸せなきょうだいには、見向きもされなかったのです。ねえ脚本、グロテスク過ぎませんか(褒めてる)

 

今週、感想が書けなかった間、ずっとしおりのことを考えてしまいました。

陸上部マネージャー時代は、明るい声でにこやかに話すキャラクターだったのに、性被害によって人生が一変してしまったしおり。「世界を変える30代」である梨央に執着したのは、どういう感情からだったのかなぁ。しおりは間違いなく被害者でしたが(渡辺の新規絵マジで胸糞だった、ガチクズだわ!!!!)、ここで「うちは被害者やない」という青木の台詞も思い起こされます。もちろん青木がそう言ったのには大麻をやっていたから、という背景がありますが、しおりが抱え続けた強烈な怨嗟の感情がどうしても気にかかる…。

シュシュなんか使わなくなり声も低くして小柄でも可愛げを抹殺して生きてきたのは、卑劣な性犯罪にあったからだと思います。でも、“もしも”に人生を食い破られて、命まで落としてしまった背景には、まだ謎が残っているのではないでしょうか。残り3話で光が当たるといいんだけどなぁ…*1

 

圧巻だったのは、梨央への単独インタビュー中に、合同合宿での事件を語り合うシーン。「報いを受けるべきなんですよ」と泣き笑いのような表情を浮かべたしおりの透明感がすごすぎて、その瞬間、死に近づいたことが明白になりました。田中みな実さんのもつ透明感がそのまま演出になったんです。やばくないですか????

 

ていうか謎が全然片付いていないんですけど???

ということで残る謎と適当な予想を思いつく限り列挙してみます。各話を見返したり全然してないので考察はできません!!

  • 専務の裏金について。あれは、私服を肥すためではないのでは?創薬事業にお金をじゃぶじゃぶ使いまくるから会社を守るためなんじゃない??

  • 梨央の「あなただったんですか」→東の池からしんでよみがえった渡辺父にとどめを刺したのはしおりだったのか?答えはNoのはず!だって序盤で桑子が指摘した身長の問題があるからです。しおりは明らかに、梨央より背が低いです。

  • ていうかしおりが休学した理由はわかったけど、「産教新聞社」を辞めた理由って明らかになりましたっけ?(専務との会話がらみで明らかになってたら鼻血に気を取られたということでお許しを)

  • しおりが真田の闇を執拗に探る理由→やっぱりあまり釈然としないのですが、梨央に気づいてもらえなかった恨み?と片付けてよいものか…
  • ねえねえバイオベンチャーの恨みを買ってて刺されかけたけど、あれってあれで終わりで大丈夫そ????
  • てか1話冒頭(=物語的にはこの後)、警察車両に乗り込む梨央の手についてたの、誰の血???まだ誰か死ぬの?
  • えっ、せんm…………

 

 

 〜思考放棄〜

 

 

それでは明日、後藤専務が徳川埋蔵金を掘り当てるのを楽しみに待ちたいと思います()

ちなみに私はドMなのでSpotifyで「君に夢中」を聴きながら書きました。吐血しそう…。

 

 

*1:念の為ですがしおりが「過大な」被害者意識を持っていたという意味ではないです。青木だって被害者だよ。当方、性犯罪者にはシンプルに「死ね」と思っていますので