完全に猫なのさ

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【昨年の感想です】ダブルキャストの楽しみを教えてもらった日〜ミュージカル「ローマの休日」感想/2020年10月25日夜(朝夏まなと・平方元基・太田基裕)

先日、妹に宝塚に連れてってもらい、連想ゲーム的に思い出したのが、昨年の秋に帝国劇場で上演されたミュージカル「ローマの休日」です。

2020/10/11昼の感想がこちら↓

purplekuina246.hatenablog.com

その日の観劇がすっっごく楽しくて…実は、チケットを探してもう1回観劇していたのです(←ブログで「1回限り」とか書いていたくせに)。

 

メモを残していたのですが忙しさにまぎれてお蔵入りになっていました。でもあの日に心が踊った経験はやはり1回限りのもの、そしてミュージカル初心者の私にとってはダブルキャストの楽しみを教えてもらった日」だったので、1年ほど経ってしまいましたがやはり記事にまとめることにしました。記憶は薄れているので、こんな感じでテーマを絞ってやってみますよ!

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ソワレの雰囲気もまたよし…。

 

※ミュージカル初心者の感想です。普段はミッチーさんのベイベーをやっております

※1年近く前の記憶で書いているので大目に見てくださいませ

 

2回目だからさらに楽しめた、アン王女とジョーのお芝居

1回目のわたしの感想、とにかくアン王女が可愛い!!ってことでした。2回目の感想ですか?ええ、やっぱりアン王女可愛い宇宙一可愛い!!!でした。
ジョーのアパートのシーンでは、寝ぼけながら借りたパジャマをズボンにインするところ、1回目に観たときより、どちゃくそ変にインして、「アレ。」って、可愛すぎます。その後のお姫様抱っこのところは、設定上は爆睡なんだけど、肩を回すときにまぁ様がしっかり息を合わせてホールドしたのがわかりました。フィギュアスケートのリフトみたいなものかなぁ、お稽古たくさんしたんだろうなぁ…と想像。
そして2幕のキスシーン。ジョーに見つめられて、(ふにゃ?)とちょっとだけ首をかしげるアン王女…そのジョーの真剣な眼差しはそういう意味なんだけどさ、キスされるのがわからないんだよね、うん…かわいい…。そこから可憐に首を逸らせてキスを受ける王女…ぐわっ……可愛………
えっ???男役トップスターさんだったんですよね?(定期)

 

アン王女はローマの地で〈自由〉に出会うことで、どんどん輝きを増してゆきます。市場でのキラッキラなダンスパートはもっと観ていたかったし(マリオの美容室行くのもうちょっと待って!ってなった)、「お幸せに」と差し出されたピンクの薔薇は、王女の〈休日〉をやさしく祝福してくれるかのようでした。

そして、私が2人の恋模様に一番ときめいたのは、ここかもしれません。アン王女がやってみたかったことを、「全部僕と一緒にしてみない?」というジョーの誘い。これって、私にとっては「アラジン」の「ホール・ニュー・ワールド」と一緒なんです。手に手をとって、素敵な世界を一緒に見ようよ、というエスコート、完全に私のツボなんです。世界一尊い相聞のバリエーションだとすら思っています。そう、遠くを見つめながらここでぎゅっと手を握り直した2人…。おしあわせに…(完)

 

アン王女とジョーの物語にときめくのは、彼女を〈自由〉へと連れ出すことでジョーがアン王女をどんどん輝かせるから、これに尽きるなぁと思うのです。

 

ダブルキャストの楽しみを教えてくれた、もっくんアーヴィング

そして!1回目の観劇と最も違うところ!それはアーヴィングのキャストです!(※そりゃあそう)

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太田基裕さん演じるアーヴィングの感想、いっちゃっていいですか。

 

 

いや声デカい。

 

 

「きたぜジョー!!!」ってセリフ、いきなりクソデカ声でそれだけで何か笑えるという、不思議な力がありました(笑うとこじゃないかもなのに、おもしろくなっちゃうんだ)。

まず歌が上手いっ!最初のナンバー「♪それが人生」、もっくんさんめちゃくちゃ歌うまい、声デカい。軽みで魅せる藤森さんに対して、めちゃくちゃ歌で聴かせてきます。デューワ♪デューワ♪

そして、2幕のイタリアのマンマの声マネがうますぎて(スイカのおばちゃんのアテレコ)。ありゃ反則ですよ。「アーリオオーリオペペロンチーノ」がそんな面白いってある?
誰の結婚式か問われてジョーが「僕たち2人の!(キリッ)」と宣言したときのアーヴィング、顔を逸らしてブーッて吹いたのが最高でした。

 

もっくんさんのアーヴィングは、愛嬌のあるおどけ方、トリックスターに徹するからこその哀愁がとても印象的でした。後者について象徴的なのは、アン王女のネタをお蔵入りにすると決めた、ジョーとのやりとり。アーヴィングだって、心根の優しい、めちゃくちゃいいヤツなんです。でもジョーに、“俺は善良な振る舞いをするがお前は写真をカネに変えてもいい”という意のことを言われたから、そしてそれまでのお芝居でパワフルにおどけ倒してきたから、このシーンはとてもつらいんです…!

この日の観劇で、初見と異なるメインキャストはアーヴィングだけでした。藤森さんともっくんさんのアーヴィングの違いをバチバチに感じて、ミュージカル初心者の私はダブルキャストの楽しみを初めて知ることとなりました。頑張ってもう1回観に行って、ほんとによかった〜!!

さらにこの日のカーテンコールでは、アーヴィングの“自撮り”のおかげでアン王女のピース(めっかわ)が見れたよ!!!!ありがとうもっくんアーヴィング!!

※ところでもっくんさん、今かかってる演目で美女を演じているらしいんですけど、ほんとうですか??

 

アン王女はなぜ一夜にして大人になれたのか〜自立とエンパワメント

アン王女はたった1日の〈休日〉を経て、ぐんと成長した姿が描かれます。例えば声の出し方など、演技で表現される部分もあれば、3パターン出てきた〈寝間着〉でもわかりやすく変化が表現されていました。

 

少女性を表すネグリジェ(髪の毛を弄ぶようなブラシの使い方)

前後不覚でぐちゃぐちゃの男物の縦縞パジャマ(冒険の渦中)

大人びたワインレッドのガウンにまとめ髪(自覚と成長!!)


このワインレッドのガウンに身を包んだ、終盤のシーン。あくまでも王女を“聞き分けのない少女”とみなしてパターナリズムを押し付けてくる大使に対して、自分の心で考え、行動する1人の女性として毅然と接するのがとてもいいなぁと思うのです。

(もし義務と責任を忘れていたなら)ここへ戻りはしませんでした。二度と戻りはしなかったでしょう」というセリフの、強く凛とした響き…!

そのあとで歌い上げるソロ。最後の最後に少しだけギュッと眉根を寄せるような表情が、思いを断ち切るように見えました。


さらに、自覚が備わってこれまでとはまったく異なる輝きを放つ、記者会見でのアン王女。「何処(いずこ)の地もそれぞれに…」と、序盤でも出てきた“決まったセリフ”を言いながら、「ローマです!」ときっぱり言い切ったのは、初めて自分の言葉で話した瞬間でした。“義務と責任”を忘れていないから戻ってきた、けれどそのうえで自立心も大切に役目を果たしていこう、という決意が見えるシーンだったと思います。アン王女の成長した姿からは自立とエンパワメントを感じました。「ローマの休日」で元気になれるのは、これも大きいよね。


ジョーの「初めまして」には秘密を共有する者へのウイットが込められており、それに応えるアン王女の「お会いできて嬉しいです、ブラッドレーさん」は、儀礼的な挨拶に心からの喜びを忍ばせた、ダブルミーニングでした。尊いよ…!

 

アン王女は、なぜ一夜にしてこんなにも大人になれたのか。

それは、ジョーが、愛をもって、世界を見せてくれたから!!

なんですよね…(号泣)。

 

2本の静かなピンスポの中で歌い上げる、「♪ローマの休日

「振り向かない」「負けはしない」

「あなたがいる 離れていても」

たった1日の〈休日〉の思い出が、それぞれの人生を照らし、輝き続ける。

ここで歌うのが“離れ離れになる相手への恋心”ではなく、“ちゃんと生きていくぞという未来への決意”であることが、強く心を揺さぶったのでした。

 

余談と今後の楽しみ

余談その1。この2回目のカーテンコールではスタオベがありました!!熱心に拍手をしていたところ…買ってから2週間余りの指輪の石が吹っ飛びました。そんなことあるか???

帰りがけになくなっていることに気づき、劇場に戻ってお伝えし、後日、ストーンを見つけ出して連絡をくださいました。感謝…!*1

 

余談その2。もう1回観たいなと思って「そうだ、博多座行こう」と地元での観劇を企てました。…が、年末年始の状況悪化で、断念。母と一緒に観劇できるのを楽しみにしていたのですが、涙をのんで、父とデートしてきてもらいました。終演後、博多座をバックにしためっちゃ楽しそうな両親のツーショが送られてきたので何かよかったです。

 

そして今後の楽しみ!11月にはマイ・フェア・レディを観にいきます☆まぁ様のポスタービジュアルめっちゃ可愛かった、楽しみだなぁ。

 

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あとは妹が焼いてくれたやばいディスクです。私はかわいいかわいい言い続けて、まだ男役時代のまぁ様を知りません…覚悟がいりますね…()

 

 

*1:使い方に瑕疵はなかったということで、メーカーでは無償修理をしていただきましたよ。さすがに拍手しかしてないからっ…!