日比谷のコベント・ガーデンに行ってきました!
2020年の帝劇コンで朝夏まなと様に出会ってから、できる範囲で出演作を観たいなと思っており、私にとっては「ローマの休日」(2020/10/11、2020/10/25)に続き、2作目です。初日を堪能してきたので、感想を書きたいと思います!
※ミュージカル初心者の感想です。普段はミッチーさんのベイベーをやっております
固定キャストのWキャスト!
予習できなかったけど、大丈夫かな?→大丈夫でした。
チケットをとったのは10月。ローマのときは、原作映画を観たことがあったのですが、今回は未見でした。比較のためにも観ておこうと思っていたのですが忙しさにまぎれて間に合わず…。とりあえずなんとなく「下町の娘がめっちゃいい感じにレディになる話」という雑把握のまま劇場に向かいました(雑すぎる)。が、結果的に未履修だったぶん新鮮にハラハラドキドキできたので、全然よかった!そして、名曲「♪じっとしていられない」がかかった瞬間!!これ進研ゼミでやった!!!!ってなりました。そう、帝劇コンで聴いて大好きになった曲だったのです。私、なんと贅沢な予習をしていたのでしょうか。
今宵はB席。2階ロビーにはおっきなバナーがありました!
第1幕
ガサツだけど可憐〜花売り娘のイライザ
ローマのときは、登場した瞬間王女様バーーン!!!!だったのですが、今回のまぁ様はコベント・ガーデンで花を売る貧しい娘。背中を丸めてガニ股で歩き回り、だみ声でがなりち散らし(“コックニー訛り”=江戸弁に置き換えられている)、一言で言うならギャップやばい。さらに最初のナンバー「♪だったらいいな」では、高音を響かせつつも喉をつぶしたような発声。ローマの1曲目では透明感ある美声にうっとりしましたが、今回の歌い方って実はめちゃくちゃ技術がいるんだろうなぁと思います…。
このナンバーで、花をたっぷり積んだ荷車に座り込んで微笑むところ、ものすごくものすごく可愛かったです…(語彙)。そうなんです、花に囲まれて祝福されるべき御方なんですよあなたは…。
この荷車のお花もそうですが、花売りの娘たちのカゴをよく見ると、白やピンクの明るい色の花が多いんですよね。でも、イライザがカゴに詰めた「でぇじな(大事な)スミレ」は、紫の小さな花弁が揺れるビオラで、ちょっぴり地味です。ヒロインながら、実はいちばん慎ましいお花を売っているイライザ。言葉遣いはガサツだけど、ピュアでいじらしい存在なのだなぁと思います。そして、ここまで激しいお芝居をしているのに、心の美しさ、可憐さみたいなのがにじみ出るのって、やっぱりまぁ様の気品だと思うのです。
日は東に〜それは人生の夜明け
コベント・ガーデンでの出会いをきっかけに、ヒギンズ教授(別所哲也)宅で発音のしかたを教え込まれることになったイライザ。私、イライザがヒギンズに教えを請おうと押しかけてきたときの台詞「ちゃんとした花屋の店員になりてぇんだ」で、爆泣きしてしまいました。え???そこで????
何でここで泣いちゃったんだろう。あとで考えたのですけど、これってイライザの向上心の尊さに胸を打たれたんじゃないかなぁと思うんです。レディになりたい動機が、玉の輿に乗りたい!とかじゃなくて、ちゃんとしたお店で大好きなお花を売って生計を立てたい、ということだったから。イライザというキャラクターをたった一言で象徴するのなら、この台詞かもしれない。っていうくらい、私にはバチバチに刺さったのでした。
「ひ」の発音の特訓は、本物の火をともしたランプやメトロノーム、グロッケンなどの小道具が次々と登場し、にぎやかにテンポよく楽しめました。ヒギンズが「ございます」の発音を修正しようと「5」「🦏(サイ)」「🐟(マス)」のフリップ芸を繰り出したところはめちゃくちゃ笑いました(そしてイライザの答えは「ございシャケ🐟🐟🐟」で爆笑)。深夜までがんばった甲斐あってついに「日は東、日向にひなげし、光あふれヒバリひらり」と言えるようになったシーンの「♪日向のひなげし」は、「日は東」が劇中の時刻である“夜明け前”にリンクしていてグッときました。
そして大好きな「♪じっとしていられない」。私がそういう演目を好んで選んでいるのでそれはそうなのですが、まぁ様のダンスは、本当に“生の喜び”にあふれている…!花咲くような笑顔でターンするたびに光の粉を振りまいて、それだけで泣けちゃうのよ!!!!
劇中の“夜明け前”に展開されるこの流れは、イライザにとって「人生の夜明け」そのものでした。そして、「ちゃんとした花屋の店員になりてぇんだ」という意欲が示されたからこそ、発音を習得できた喜びを私たちも存分に共有できるのだと思います。
ミッション1、アスコット競馬場
まずは、由緒あるアスコット競馬場で腕試し!そうそう、ここは正装が義務付けられているんですよね、男性はトップハットをかぶらないといけないのよね←ここらへんの知識は映画「キングスマン」で仕入れました。
ドレスの着付けに手間取って、ようやく登場したイライザ!!!!!!
あああ〜!ポスター通りのドレスだぁ!!オードリーのドレスだぁ!でっかいお帽子だぁ!可愛いいいいい!!!!(語彙は馬に蹴られてどっか行きました)
ここではまだ会話術が習得できていなくて、ついついもとの言葉遣いが出てしまい、つまり「やっちまった」のですが、発音は修正されていたので明朗快活に悪態をつくギャップがめちゃくちゃキュートでした。そりゃあフレディ(寺西拓人)も参っちまうよね(彼の感想は後述します)。
このとき私は、ドレスコードを守れていないヒギンズがフラフラと母親に話しかけにいく様子を見て、この人は、身だしなみとかに頓着しない学問バカなんだなぁと思っていました。このときはね…!
ミッション2、大使館の舞踏会
ここは幕間をはさんで2幕にもかかりますが、ここでまとめちゃいますね。真っ白なドレスにまばゆいばかりのティアラとネックレスを身に付けて登場したイライザ嬢。もうね…結婚してください……!!!!やっぱりまぁ様、腕長い。肘上までのロンググローブをお召しですがまじでそのグローブ部分が1mあります。
はぁぁローマに引き続きピッカピカのドレス姿が拝めるなんて幸せすぎる。っていうか舞踏会がある演目大好き。
ということで、高貴な出自のプリンセスと間違えられるほどに完璧な振る舞いをやり遂げたイライザ。ここで、めでたしめでたし…とはならなかったのですよね。
第2幕
大成功に終わった舞踏会の夜、浮かれるフレディをよそに沈み込んでいるイライザ。イライザ自身の努力をねぎらうこともなく、自分の成果だと威張り散らすフレディの態度に傷ついたイライザは、屋敷を出ていってしまいます。ここから2人の長い長いすれ違いが始まるのですが……
いやもうね、、2幕の感想の8割がね、、
ヒギンズお前いい加減にしろよ😇
なんよね…!
ヒギンズの歌う「♪男性讃歌」とかは“教授”らしい偏屈さをテーマにしているとは思うのですがミソジニックで正直ちょっとしんどかったですね。1幕からずっとイライザを「あばずれ」「下品」「宿無し」「頭が空っぽ」などなどありったけの形容でdisっていて、教授だけあって無駄に語彙力が豊富なんだもの()。
鑑賞中の心境としては、前田美波里さん演じるヒギンズ夫人とイライザのシスターフッドが救いだなぁって思っていました。最後、イライザはヒギンズのもとに帰ってくるのですが、別に、ヒギンズが反省したから、というわけじゃないんですよね。
でも!!!多幸感あふれるカーテンコールに拍手を送りながら、ああそうか、今まで「教えてやる」立場で振る舞ってきたけれど、これからはヒギンズはいろんなことをイライザに「教えてもらう」のだろうなって思うことができました。きっとぶつかり合いながら仲良くしていけるし、イライザにはゴットマザー・ヒギンズ夫人がついてるし、何かあったら次は夫人の言うとおりアイロン投げつけたらいいしね。イライザに可能性があったように、ヒギンズにだってまだまだ可能性があるんだ。そう、これは可能性を賛美する物語なのだから。
他のキャストさん&主要ナンバーの感想
- ヒギンズ教授(別所哲也)→なんのかんの言いましたが、渋くてとってもカッコ良かったです…!デリカシーがなくて子供っぽいところもあるんだけど、いるよねこういう男性…って思わせる力もありつつ、イライザのことを好きって認められない絶妙な気持ちを歌い上げる「♪あたまから離れない」、とてもよかったです。
- ピッカリング大佐(相島一之)→軍人らしい四角張った喋りがユーモラスで、でも何かちょっとのんびりしたところもあって、3人のお芝居をすごくいいアンサンブルにしていました。ヒギンズはアレだけど大佐は真人間で、イライザ自身のことを思いやっているんだよね…!
- アルフレッド・ドゥーリトル(今井清隆)→お父さんめっちゃ声量オバケやん…!「♪運がよけりゃ」「♪教会へは遅れずに」はアンサンブルさんのキレのあるダンスと相まって、手拍子も沸き起こる超パワフルナンバーでアガりました!「♪運がよけりゃ」のピアノとフォルテの応酬はラデツキー行進曲みたいで楽しかった!そして今井清隆さんも帝劇コンで出会い済みだったので、嬉しかったです!ていうか帝劇コン、ミュージカル初心者にとってはほんとに超良質な進研ゼミ予習教材だったよね…。
- ピアス夫人(春風ひとみ)→キリッとした存在感でお芝居が締まる!イライザには優しいし、「♪男性讃歌」の後ちょっと怒ってくれてありがとう(握手)
- フレディ(寺西拓人)→アスコット競馬場でイライザにハートを捕まれてしまった超ウルトラハッピーボーイ。めちゃ可愛かったし本当にいい子なんだなぁ〜って思えたし、ヒギンズ邸の前で出待ちしてるシーンの「♪君が住む街」もフレッシュでとてもよかった!ていうか「同じ空気を吸っているだけで幸せ」的なことを言ってたんですけどその心境ってオタクのそれですよね???結局イライザはヒギンズの元に帰ってしまったのでカーテンコールでは「元気出して!!!!!!」って気持ちを込めて力一杯拍手しました。
- ヒギンズ夫人(前田美波里)→お母さんんんん!!!!!!(号泣)いやもうね、包容力isやばい。アスコット競馬場では厳しい目を向けていたものの、あっという間に味方になり、2幕でも傷心のイライザに寄り添ってくれていました(ここ大好き)。前田美波里さんの醸し出すたっぷりとした優しさに触れていると、エヴリシン大丈夫って思えてくるのよね…。
カーテンコールと初日あいさつ
ぎっちり満員の2階席で、私もスタオベです!初日を迎えた喜びを語るまぁ様は、ちょっぴり感極まっていらっしゃるように見えました。最近はやっと落ち着いてきているけれど、幕が上がることはやっぱり当たり前じゃないものね…。
まぁ様イライザは、「余韻に浸ってお待ちください」という規制退場のご案内(超かわいい)に続き、「またぜひ、帝国劇場というコベント・ガーデンにいらしてください(※意訳)」と呼びかけてくれました。最後は貴婦人のひらひらお手振りでお別れ。あああ〜幸せだった!!
ということで!!あと1回観に行く予定です!その日まで、パンフレット読み込みつつ楽しみに過ごしたいと思います☆