完全に猫なのさ

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パキラよどうか枯れないで/「最愛」第6話感想

叫んだりうめいたりしていたら1時間経ってました。ヒィ。

 

第6話、完全に加瀬回

いやもう…(突っ伏す)。

優の事情聴取について「慌てないで加瀬さんに任せておきなさい」と梓に諭された梨央に、「だったら任せて」と言い切った加瀬は、言葉通り東奔西走します。民間の科捜研に無理めな依頼をして画像解析結果を入手したり、あとは捜査員に圧かけたり検事に圧かけたり…。

そして梨央に対しては源泉かけ流しの優しさで包み続けます。ぐったりと寝落ちした梨央に毛布をかけてやり、しつこい刑事(※大輝です)から引き剥がしてコートを肩にかけてやるなど、次々に繰り出される至高のケアが、法律家としての切れ者ぶりとのギャップを演出します。すっげ…。梨央が着る加瀬のコートは萌え袖になっていて、これは加瀬にとって梨央がどこまでも庇護対象なのだということを印象づけるシーンでした。

かと思いきや、その後梨央が落ち着けるように女性客で賑わうカフェに連れてきたシーンでは、なんでこんなお店を知っているのか聞かれて「言わなきゃだめ?それ」と照れます。なんなんだ。なんなんだよ…!!

これ文脈的には、「デートで来たことがあるから知ってる」ということかと思うのですが、私はですね、無類のパフェ好きで休日はカフェ巡りに精を出しているパターンだと思うんですよ!

極めつけは、行きつけのもんじゃ焼き屋で優の釈放を喜び合うシーン。誰ですか加瀬さんにタートルネックを着せたのは……。

 

夢の全部載せ、後藤専務というキャラクター

埠頭で後藤が…

しおり目線でのカットを撮ってくださって本当に本当にありがとうございます。トランクに詰められて専務に見下される夢が叶って嬉しいです(やめなさい)。しかもなんなの、お姫様抱っこから、逃げる相手の腕を掴んで胸板でバァンて抱きとめてもう私の夢が渋滞してる。助けてください。翌日のシーンでも「哀れですね」とか言われたい台詞満載。隙のないダブルのスーツ姿で、手を後ろに組んで小柄なしおりに圧をかけてへたり込ませるところ、最高です(ここで聞こえるタースーの幻聴→「どうぞご着席ください^^」)。

その後ブチ切れたしおりに札束をぶつけられるのですが、逆光の中に舞い散る紙幣と、微動だにせず立つ後藤のシルエットの美しいこと…。しかもそれを子供たちに拾わせるのがえぐいよね。よのなかかねなのよ。

個人的な怨念(?)を抱えつつもイキってたしおりを、極限状態に追い詰めた後藤専務。ボロボロになったしおりの「殺されるのも悪くないなって思った」は、6話ラストからもわかるようにやばいスイッチが入ったことを示唆しますし、これに続く台詞(=死んだらトップニュースになって注目される)からは、ちょっと歪んだ承認欲求も感じられました。物語の後半に向けてドミノを倒しちまったのは後藤専務なんですよ…!ああなんてこと。

 

内藤薫を彷彿させる高笑い

渋い顔でニュース映像を見ていた後藤専務が、押し黙ってノートPCを閉じるのですが、中指で突くような仕草が最高です。真田兄がまたしても横から口を挟みますが、「今度は弟が犯罪者か」って、やっぱりそちら様が反社の方では…?

「後藤さんと二人で話をさせて」という梨央の願いを聞き入れて、後藤は兄を追い出すのですが、このときの、目線の送り方と、神経質そうな指トントン(机バンバンみたいに言うな)、もお〜〜絶品!及川光博って感じですよ!!!

後藤はやっぱり意地悪なわけじゃなくて、「どう会社を守るつもりですか?」という問いかけはやはり真っ当なものだなぁと思います。しかし、梨央が弟の量刑によって進退を決めると告げ、「そのあとのことは後藤さん、よろしくお願いいたします」と頭を下げて出ていったあとがすごかった。ちょっとだけ口角をムズムズとさせて、こらえきれないといった風に肩を震わせて笑い声を上げるのですが、これってめちゃくちゃ内藤薫じゃないですか…!!!!!

演出のニクいポイントは、この不気味な笑い声を上げる後藤を、後ろ姿で撮っているところです。たまらん!

あとの2シーンはちょっと割愛しますが*1、6話の後藤専務は、「悪貨」のノノくんや「CASSHERN」の内藤など、往年の名キャラを彷彿させて、めちゃくちゃアツかったです!

 

「最愛」のひとを抱きしめる2つのハグ

今回は2回、梨央を中心とした印象的なハグのシーンがありました。

1つは、優の勾留期限の日。「処分が決まった」という加瀬の台詞のあと、長い長い焦らしを経て、警察署の入り口を見つめる梨央の視線に移り、加瀬の、後ろに、、優が、いた〜〜!!!!!!!安堵して優に抱きつく梨央。そして包みこむように3人まとめてハグしちゃう加瀬…!その両腕は羽か。羽なのか。真田の番犬にして法曹界の大天使と呼ばせてくれ。

そして…っ、、もう1つは、、毎度毎度クリティカルすぎる「♪君に夢中」がかかるシーンでした…。優をかばって窮地に立たされていることを察した梨央が、もう会わないって一方的に告げるのだけど、、大輝は元陸上部の全力疾走(n回目)で追いついて、逃げ去ろうとする梨央を固く抱きしめるのです…。この、大輝が追いつくカットのスローモーションとフォーカスインの使い方がえっっっぐい!!!!

そして今回の「♪君に夢中」の使い方について…。サビの「♪君に夢中 人生狂わすタイプ」という歌詞はこれまでも、それぞれに少しずつ“狂って”いる作中人物にシンクロしてきましたが、今回はダイレクトに、捜査一課の刑事として立場が危うくなっている大輝のモノローグのようでもありました…どうなっちゃうの〜〜〜!!!

 

その他の感想

箇条書きでいきます!

  • 今週の大輝vs加瀬のバチフレ!しかし、加瀬は敵意むき出しなわけではなく、優の病状を考慮してもらえるよう必死で大輝に資料を渡し、大輝も、今の優にどの程度症状があるのかを心配します。これを受け取ったことで大輝は山尾係長の逆鱗に触れてしまうのですが…やっぱり2人は、梨央を思う者同士であると同時に、優本人をも思う者同士なのだと思います。
  • 嗅覚だけを頼りに聞き込みをしまくる桑子。ハウス!!相関図に出てくる桑子の説明って「姉御肌」ってあるけど、違くない?大輝にリードを引いてもらってる犬キャラじゃない??相関図に書いてあるような後輩警察官との関係が劇中にも出てきたらまた違うとは思うのですが。
  • 優の不起訴が決まり、資料をひっくりかえして捜査本部で大暴れする山尾係長。なんか捜査一課、動物的な人が多いよね。
  • 映像解析により明らかになった衝撃の事実。先に首を絞めたのは渡辺父でした(「どちらが先に手を出したかは明白ですよね?」by加瀬)。事実が反転する瞬間は、天地がひっくり返るみたいで足元が不安になりました。この衝撃展開が教えてくれるのは、真実というものは「誰がどこから見るか」でこんなにも変わってしまうということ、そして「人は思い込むもの」ということ。目撃者が見た人物について、優だと思いたい桑子は「シュッとした」と誘導してしまいますが、蓋を開けたらそれは渡辺父だったわけで、どこがシュッとしとるんや。
  • というわけで、しんでよみがえる渡辺父。「殺人事件の被害者が生きてた」ってすごい展開です。そして渡辺父、完全にゾンビ枠です。毎週視聴者をビビらせてくれる渡辺父の新規絵ですが、今週が一番怖かったです…。
  • 絶対出てくると思っていた陸上部マネージャーの青木。大輝に重要な情報を提供しつつも、「昔のこと、思い出したくないで」と突き放すのですが、その表情は美術館の池の濁った水に揺れていて、歪んでわからないのです…。うまいなぁ。。

 

 

釈放され、梨央といっしょに暮らすことになった優。大切そうに抱えていた鉢植えのパキラは、ささやかな幸せと未来の象徴だと思います。しおりの急襲(刺されるかと思った)でまたも不穏な空気が漂いますが、そのパキラがどうか枯れないようにと祈るばかりです…。

 

 

*1:出演シーン全部はりつさんのブログがが補完してくれると期待している