完全に猫なのさ

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塚原監督の光の演出がえげつない件&ついにお目見え!“不気美ッチー”/「最愛」第1話感想

TBS金曜ドラマ「最愛」がとうとうスタート!

まずは、言っていいですか。

面白いドラマに推しが出てくれる喜びよ…!

もう冒頭から不穏すぎてドキドキして、みっちーさんが登場したのは23時を回って現代パートに入ってからだったのですが、すでに十二分に引き込まれていました。もうね塚原監督の画面作りえっっぐい。

ということで、超好印象だった第1話の感想をまとめておきます。

 

塚原あゆ子監督の光の演出がえげつない件〜台風の夜とその後を中心に

第1話の多くを占めていたのは、「白山大学陸上部」の寮を舞台にした15年前の出来事。梨央(吉高由里子)の家族関係、陸上部の人間関係は、なかなか込み入っているものの、脚本のなかで巧みに情報が明かされていくので意外とストレスなくついていけました。

そして台風接近中のとある夜、寮夫の父(光石研)が不在の間に、「何か」が起こるわけです…!

この流れでめちゃくちゃ引き込まれたのは、光を活かした演出でした。

台風の夜、記憶を失っていつのまにか寝床にいた梨央が迎えたのは、憔悴して帰ってきた父(光石研)。その帰宅シーン、玄関の三和土に立っている光石研の顔にまったく光が当たっていないのです。玄関の明かりの中に一歩踏み出すまで、本当にマジで真っ黒。これには本当にゾワッとしました。

合掌造りの古い家の裏手でゴウン…ゴウン…と回っている洗濯機にカメラが近寄っていくのも怖かった…。いやあぁぁ開けないでそれ開けないでぇぇぇ!!!!あああやっぱり水の中で回っているのは血塗れのサムシングぅぅぅぅ!!!そこで狼狽した梨央を照らすのは、電球を吊るしただけの簡素な照明でした。

そして夜が明けて…。濡れた草木や合掌造りの屋根に光が当たる美しい風景を挟んで、梨央が入浴中の父に洗面所から話しかけるシーン。生活感のある白熱灯色の光は、まもなく失ってしまう家庭的なあたたかさを暗示しているようでもありました。その後の梨央は、父を失い、ふるさとを出て、東京でセレブ一族「真田ファミリー」の一員となるわけですからね…。

ほどなくしてくも膜下出血で急死してしまう父。それを梨央の弟が発見するところも、ソファで事切れている後ろ姿に逆光がバシーン!!と突き刺さっていて、美しいけど救いがなかった…。

極めつけは、父の写真を探していた梨央が、いかにも怪しい黒いゴミ袋を見つけてしまうシーン。いやあぁぁ開けないでそれ開けないd(2回目)(略)

出てきちゃうよね、やっぱね。血塗れのサムシング(2回目)

そこで戦慄した梨央が思わず立ち上がり、洗濯機と同じシーンの同じタイプの古い照明に頭をぶつけます。ぐらぐら揺れて画面を翻弄する光。断片的に蘇る記憶(そのなかでも象徴的に電球が割れる)。さらには90度以上回転して宙吊りの気分にするカメラワーク。いやえぐい。えっぐいわ。

これを見つけてしまったことを境に、もういろんな意味で、戻れなくなってしまった梨央。画面の回転は、足元がひっくり返るような衝撃的なターニングポイントということを示しているのだと思います。だから、大輝(松下洸平)とせっかく両思いになれても、「元気出せ」と抱きしめられても、もう応えることはできなかったんですね…。これ、仲間が携帯を奪ってふざけて梨央に送ったメール「合格グッジョブ!俺の胸で泣け」の複線回収だったのに、こんな切ないことってあるかって思った…。

 

現代パートに映ってからの、水死体(=失踪した渡辺の父)がぷっか〜〜んと池に浮かび上がってくるシーンもすごいよね。真俯瞰で、引きで、ぷっか〜〜〜ん。いや怖い!怖いよ!!手加減して!!!!(褒めてる)

 

ということで第1話だけでも、演出、とりわけ光を使った演出にめちゃくちゃ引き込まれたのでした。私は決してドラマを多く見ているほうではないのですが、やはりミッチーさん出演の「グランメゾン東京」でも、レストランにやわらかく差し込むなど、とても印象的だった記憶があります。これはもう全話楽しみでしかありません!

 

これはもう、不気味ッチーじゃなくて、“不気美ッチー”。

そしてそして、たっぷり60分近く使って過去パートをやったあとに、ついに現代!

登場しました!薄鼠色のマオカラージャケットに身を包んだ、真田ウェルネス・後藤専務…!

 

いや美人すぎる。ビジュアル大優勝。

これはもう、不気味ッチーじゃなくて、“不気美ッチー”です

このビジュについては番宣のときからハマってましてですね。

↑もうビジュの感想は全部書いちゃってたのでこれで👼

 

とまあ、静止画の時点で大興奮だったわけですが、歩くわけですよ専務(そりゃあね)、その背筋を伸ばした歩き方が途方もなく美しい!歩いてるだけなのにすでに慇懃無礼なニオイがする…!最高!

半沢直樹とまりんのエリート歩きとも、#リモラブの昭和な“スチャラカ部長”とも、ドラゴン桜の教頭先生の競歩とも、ぜんっぜん違う歩き方のデザイン!はああ、たまらん、これぞ人気俳優・及川光博の仕事です…!

 

ということで、歩いてちょっとしゃべって電話してただけでもう大満足の第1話でした。ありがとうございました👼いやあ血が通っていない感じの及川光博って最高ですね。来週からも暗躍を期待したいと思います!

 

その他、印象に残ったキャラクターとシーン

  • 吉高由里子さん。最初の高校生役、甘酸っぱすぎるのかなぁどうかな…と思って見始めたのですが、かなりの尺をつかって過去パートをやるなかで見慣れたのと、これは、現代パートでのド洗練とのギャップのためなんだなぁと理解。かつて恋心を寄せていた相手を前に、「はじめして、真田梨央です」という挑戦的な名乗り、半端ないですね。は〜メイクかわいかった〜。
  • 松下洸平さん。#リモラブでは「青ちゃん」の柔和なキャラクターが印象的でしたが、陸上アスリート→捜査一課の刑事ということで、短髪で日焼けして、引き締まった体で、端的に言ってバチクソかっこいいです!!シーンとしては切ないのだけれど、やはり「好きやよ」の告白は、甘やかでよかったですね…涙。刑事になってからも、捜一バッジを襟に光らせつつも、ちょっと緩いネクタイの結び方がちょっとセクシーです。
  • 佐久間由衣さん。現代パートにちょっとしか出てこなかったんだけど、捜査会議の始まる直前にバディを組む先輩刑事の手にいきなりブニュってハンドクリーム塗りつける人っています???なんだその存在感の表し方は、否応なしに印象に残っちゃうだろうが!!活躍が楽しみになっちゃうじゃないか!!
  • 津田健次郎さん。いやいやだから捜査会議で朗々とクソデカ声で指示を出しながら靴だの上着だのをどんどん脱いでいく捜査幹部っています????なんだその脱いでるところ真正面から撮るカメラワークは、変な扉が開いちゃうだろうがいいぞもっとやれ。
  • 田中みな実さん。今や飛ぶ鳥を落とす勢い!*1。そんな今をときめく美女が、よれっとした灰色のヘンリーネックにモッズコートをばさっと羽織って、雑なまとめ髪で光り物はシンプルなイヤカフが1つだけ、そんでミッチー演じる後藤専務を車からダルそうにガム噛みながら見上げて、あけすけに話すわけですよ。それでも、それでも隠しきれない透明感…!さすがやで…。女優業進出にあたってはわりと“怪演”系のキャラが多かったのかしらと思うのですが、これは間違いなくターニングポイントになりそうな役…!めちゃくちゃ楽しみです。
  • 井浦新さん。ははぁこれは、番犬からの忠犬からの狂犬ってやつですね。これは良い井浦新ですね。エントランスで梨央を待ち構える大輝との対峙シーン、捜一バッジvs弁護士バッジの間でバチバチ放電が起こってたのが見えましたよ。瞬きしてなかったからね瞳孔開きっぱなしだったからね。これは良い井浦新ですね(2回目)

 

あら、思ったより書いちゃった。金曜ドラマ、金曜夜〜週末にかけて感想が書きやすいからありがたいな。タイトルバックでバタン、と閉じる真っ黒なブラックボックスが超不穏ですよね。開けてはならない、でも開けなきゃいけない、真実を閉じ込めた不穏な箱。これから冬にかけて楽しくリアタイしたいと思います♪今回は毎回感想を書く気がするので、お付き合いくださいませ〜。

 

 

*1:私コスメ大好き族なのですが、美容雑誌でお顔を見ない月はない。みな実さん愛用コスメもいっぱい試してるよ!